第13章 血のイブ
すべてを終えたキャプテンがこっちに駆け寄り、頭を下げてきた。
「あの、Re:valeのライブの邪魔してすみませんでした!ステージめちゃくちゃにして・・・本当、本当すみません!」
下げた頭をさらに深く下げて謝る。
「あんなに暴れてた狂犬が必死に頭下げてる」
「千っ!」
「君、よく来てくれる子だよね?女の子と一緒に」
「なっ、何で知って・・・」
「俺たちのライブは女のお客さんの方が多いから。七桜のファンかもって思ったけど、少しタイプが違うし」
「ねぇ、遠回しにうちのファンディスってない?確かに中にはちょっとあれは人もいるけどさ・・・」
オタクファンのことを言ってるんだろう...後半声が小さくなる。
「君リア充かと思ってたけど、お姉ちゃんと一緒に来てるんだってね?」
「そ、そんなことまで・・・」
百は恥ずかしそうに俯いてしまった。
可愛い...
なんか、心臓うるさい...
「ギャー!」
突然声がした方を見ると、百が近づいた万から逃げようとしていた。
連絡先を渡そうとしたら逃げられたらしい...
「バンさん、超イケメンです!」
あぁ、一連の流れが終わったところか。
百はずっとテンパってて、それが可愛くてしょうがない。
「ここに連絡先書いてくれる?」
万が手帳を渡すと、手帳もイケメンですと言う百。
(手帳がイケメンはちょっとわかんないなぁ)
万も不思議に思ったのか、その通りにツッコんでいた。
連絡先を書き終えたのを見て、千はジーッと百を見ていた。
それに気付いた百は、ボッと顔を一気に真っ赤にさせた。
思わず吹き出して笑ってしまう。
「本当、巻き込んでごめんね。でも庇ってくれてありがとう。お陰で助かったよ。七桜に怪我させるわけにはいかないからさ」
「そうですよね!全然、大丈夫ですから!」
「今度改めてお礼するから」
「お、お礼なんてとんでもないです!全然平気ですから!それよりも、Re:valeのライブを邪魔してしまって・・・」
「先に邪魔してきたのはアイツらだよ」
「そうだよ。俺たちだけだったら対処しきれなかったと思うから。お礼はちゃんとさせて」
「お、お礼なんてとんでもないです。Re:valeのライブにはいつもハッピーもらってますから!」
百は頑なにお礼を拒んでいる。
どうしたものか。