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未来へ繋ぐメッセージ【アイナナ/Re:vale】

第13章 血のイブ



そんなに緊張しなくてもって思うけど、万の事も千の事も好きになっちゃったから仕方ないよね。
だからそんな態度になるのはわからなくもないけど、ちょっと大袈裟じゃと思わなくもない...

「あ、あの・・・タオル汚しちゃってすみません!ちゃんと洗って返しますので!」

百が私に話しかけてきた。
一気に心臓が外にも聞こえるんじゃないかってくらいドキドキと音を立てる。

「別にそのままで大丈夫だよ」

「い、いえ!そんなわけにはいきません!血も付いてしまったので・・・ちゃんと綺麗にしてお返しします!」

そんな大袈裟な...

あんまりしつこく言うのもよくないのかな...

「七桜、せっかくそう言ってくれてるんだしそうしてもらいなよ。あんまり言うと可哀想だぞ」

万はそう言うと思った...

「じゃあ、お願いします」

「はい!」

そう言って笑った笑顔が眩しかった。

なんか、さっきの百は男らしくて格好よかったけど...
今の百は可愛いな...

万と千と同じく百の事も好きだけど、百だけは違う好きだった。
でも、それは恋の好きとは違うとずっと思ってた。

けど...これはきっと恋だ。
心臓がずっとうるさく響いてる...

百に会いたいと思ってたのも、きっと始めから特別な感情を持ってたからなんだね。

気付いてしまった自分の気持ち...
この先、百に伝えてもいいのだろうか...
これから万のこととかもあるから、しばらく自分の気持ちは抑えておこう。

それに、気付いたけどどうこうなりたいとか思ったわけじゃないし。

ただ好きでいるだけでも、たぶん幸せだよね。
百だもん...見てるだけでもそう思わせてくれそう。

1人、遠くから百を眺めた。

「ねぇ・・・」

千が百に話しかけている。

「ひゃぁ!イケメンが近づいてきたぁっ!!」

めちゃくちゃ焦ったのか、随分と大きい声でビックリしていて千と距離を取り始めた。
負けじと千も距離をつめようとする。

なんとも言いがたい攻防戦がしばらく繰り返されている。

万も私もあえて止めない方を選び、遠くから2人を傍観することに決めたのだ。

「万、止めてきなよ」

「七桜が行きなよ」

「うち行っても謝られちゃうもん・・・」

「俺が言ってもキャーって逃げられるけど?」

結果、キリの良さそうなところで止めることに。


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