第13章 血のイブ
確かに千は変わったと思う。
あんなに悪かった女癖も、ちゃんとやる宣言から彼女を1人も作っていないようだ。
それは七桜も知ってるはず。
でも、たぶんだけど...七桜には好きな人がいると思う。
俺の予想、相手はキャプテンなんじゃないかと思ってる。
「もう、千しつこい!うち好きな人いるから無理!」
2人の言い合いがヒートアップしてきたとき、七桜が止めを刺す言葉を言ってしまった。
「・・・え?好きな人って・・・?万は知ってた?」
「いや、俺は・・・」
俺は何と言っていいかわからず呆然とし、千は明らかにショックを受けている。
「万が知ってるわけないじゃん。誰にも言ってないんだから」
「七桜に好きな人・・・」
あそこまで言っておけばしつこく言ってこないだろう。
「七桜、ちょっと」
万に呼ばれて部屋の隅へ...千は何やら考え込んで気付かない。
万に好きな人がいるって本当かって聞かれ、万には言ってもいいと思って正直に嘘だと話した。
「あぁでも言わないと、千しつこいんだもん」
七桜はキャプテンが好きなんじゃないのか?まさか、こっちも気付いてない感じ...?
今現状はそれでもいいかと無理矢理納得させた。
ー 千said ー
七桜に好きな人がいると知って、僕がずっと感じていたモヤモヤとしたこの気持ちの感情の正体に気がついた。
僕はずっと七桜のことが好きだったんだ...
ずっとこの感情が何なのかわからなかった。
好きな人がいると聞いて、心が締め付けられるように辛く苦しかった...
好きな人なんて今までいなかったから、こんな感情は初めてでわからなかった...
好きな人いるって、僕はちゃんと気持ちを伝える前から失恋ってやつをしちゃうのか...
いや、でも彼氏なわけじゃないし、僕にもまだチャンスはある。
とにかく今は、ちゃんとやるって言ったからにはライブはちゃんとやろう。
時間はあるし、その後ゆっくり考えればいい。
その時は深く考えないでそんなことを思っていた...
まさか、こんな間近にライバルがいたなんて思ってもいなかったから...
ー
今日はクリスマスイブで会場内も人がいつもより集まっている。
Re:valeの出番になりステージに出ると、大きな歓声が響く。