第61章 来年に向けて
「それに、俺が出て行っても止めもしてくれなかった・・・」
自分で言っててすごい落ち込むな...
「焦ってはいないよね?前からいつできるのか聞いてたし。確かに1人で決めたって思うところもあるかもしれないけど・・・そんなに怒ることかな。七桜だってしたくないわけないんだから」
「俺、何か間違ったのかな?嫌われちゃったかな・・・」
「大丈夫。七桜がそこまで言うのには理由があるんじゃない?普通、女の子は指輪貰ったら早く結婚したいって思うものじゃないのかな?」
「理由って・・・?」
「それは僕もわからないけど・・・待って、バンにも聞いてみよう」
ユキはバンさんに連絡して家まで呼んでくれた。
「突然連絡きたと思えばどうしたんだよ?」
「僕じゃなくて、モモだよ」
「百くんと七桜の事だったのか?主語を言えよ。てっきり千が結婚するのかと。百くん、七桜と何かあったの?」
ユキが俺の代りに話してくれた。
「普通に考えると流れ的にはそうだと俺も思うな。百くんが焦ってるとも思えないし、理由としてアイドルだからも入ってるんじゃないか?人気商売だろ?でもそれ気にしてたらいつになってもできないよな」
「ねぇ、記憶は理由に入るのかな?たぶんだけど、七桜の記憶に僕らの誰かが結婚するって未来はないんだとしたら?それに、ツクモのことも片付いてない」
「了さんが原因ってこと?」
「七桜は目をつけられてるよね?自分がモモの弱点になることを恐れてる。今のままだと知られてないからいいけど、結婚したとわかればそこに漬け込まれる可能性もないとは言い切れないんじゃない?」
「どっちにしたって、守ってあげないとダメじゃんか!俺が守るのに・・・」
「百くん、今ここにいる間七桜は1人ぼっちだよ?そのことが理由にしろそうじゃないにしろ、きちんと話し合うべきだよ?責任持って守る事もそうだけど、大事なことを話し合うのも家族になるってことじゃないかな?」
「バンさん・・・」
「ほら、俺が送ってあげるから七桜のとこに帰ろう」
バンさんとユキが一緒に家まで送ってくれると言ってくれた。
2人と話して少しは冷静になれたけど、記憶が理由だとしたら...そうだとしてもちゃんと話を聞いてあげないとダメだ!さっきと同じになる。