第60章 後輩達との共演②
「俺、七桜とユキと一緒に回ってきてもいい?」
「僕も行きますよ。写真撮りましょう。SNS用ではなくて普通ので撮ってあげます。お昼には撮影再開ですから戻りますよ」
そう言われて俺たちはテーマパークの乗り物を制覇する勢いで回った。お化け屋敷が意外と本格的で珍しく七桜も怖がっていた。
「手、繋いでてあげるから怖くないでしょ?」
そう言ったそばから、急に脅かしてくるお化け役の人。
「ギャァー!!」
七桜が叫んで座り込んでしまった...
「ほら、立ちなよ。大丈夫、ただの人間だ。次会ったら蹴飛ばせばいい」
「ユキ、それはしちゃいけないやつね」
「マジ、ふざけんなよ!」
グスっとしながら強気にそう言うけど、俺の手をギュッと掴んでるのが可愛い。
「ねぇ、早く出ようよ・・・」
「まだゴールじゃないんだよ」
「長くない?」
その途中でも脅かしてくるお化け役。なんとか出る事ができて、ホッと一息ついた。
「あぁ、いたいた!そろそろご飯だから集まってだって」
集まると、その時代に流行ったものや大正時代から日本に入ってきたご飯が用意されていた。
「パスタとかオムライスって大正時代からあるんだね」
味は今と変らない美味しい味だ。
「俺らも色々乗ってきたよ。七桜りんたちは?」
「制覇したんじゃないかな?お化け屋敷が面白かったよ?」
「俺、苦手・・・無理無理」
「うちも苦手だけど、意外と行けたよ?環も行ってみたら?」
「ゆーちゃん、行ってみる?」
「俺はいいけど、環、大丈夫か?」
「七桜りんは意外と平気だったみたい」
「へぇ。じゃあ後で行ってみるか!」
「うん!」
「いたいけな高校生に嘘ついちゃって」
「道ずれにしてやる・・・」
「あとでゆっくり観覧車に乗ろうね!」
百が笑顔で言ってくるから、なんだか安心できる。
「僕は少し休んでるよ。モモたちに付き合ってると体力が持たない・・・」
「千くんは僕とお留守番しましょうか」
「じゃあ2人で行ってくるけど、いいの?」
「一般のお客さんはいないので、少しくらい楽しんできてください」
「おかりん、ありがとう!」
「でも、騒がないようにしてくださいね!」
「それはうちが見てるから大丈夫だよ」
少ししてから、2人で見て回る。