第60章 後輩達との共演②
一応、働いてる人がいるから手は繋げない。観覧車乗り場まで着いて、一緒に乗る。結構大きいから時間かかるかもねと話してはいたけど、30分近くもかかるとは...
「あれ、ユキとおかりんじゃない?こっち見えてるのかな?」
百は千に向かって手を振るが気付いてもらえないって少し拗ねてる。
「ん?悠斗と環だ!環走って逃げてる?」
「もうお化け屋敷行ってきたのかもね」
「あとから言われよ?騙したなって」
「うちだってあんなに怖いとは思ってなかったもん。外観そうでもなさそうなのにさ」
「七桜は他の乗り物は大丈夫だけど、お化け屋敷はダメなんだね。作り物だから大丈夫って言うかと思ってたよ」
「そうは思うけど、急に来るのがビックリするんだよ」
「そっか。ならお化け屋敷には入らないようにしないとね」
話をしてるうちに頂上に近づいてきていた。
「隣、座ってもいい?」
「うん」
隣に移動してきて、うちの手を握る。
「その衣装、本当可愛いし似合ってる。誰にも見られたくなかったな・・・」
そう言いながら抱きしめて、体を離して目を見つめたまま顔を近づけてくる。
「頂上でキスをしたカップルは幸せになれるって書いてあった」
そう言ってキスをしてくる。
「これでもっともっと幸せになれるね!」
そう笑って言われて、私も一緒に笑った。
観覧車を出て、百はルンルンで千の元に帰る。
「モモはずいぶんとご機嫌だね」
そう言ってると、千の奥から環が怒りながらこっちに向かってくるのが見えて、百の後ろに隠れる。
「七桜りん、全然怖くないっていったじゃん!嘘ついたの!?めちゃくちゃ怖かったよぉー」
環が半泣きで話しかけてくる。
「ごめんね、環。七桜は自分だけ怖い思いしたから誰かにわかってほしかったんだよ」
「そうそう!この気持ちわかってくれる仲間がほしかったんだよね?騙す形になっちゃったけど」
「ごめんね?環も嫌だろうなって思ったけど、うちはすごい怖いって思ったから環はどうなかって思っちゃって・・・道連れにしちゃった。やっぱり怖かったよね」
「ゆーちゃんは1人でスタスタ行っちゃうし、怖かったよ」
「ごめん、ごめん。あとで悠斗やっつけようね!置いてくなんて酷いね」
「七桜、それは悠斗も可哀想だよ・・・?」
理不尽だ...