第12章 ファンレター
私も百からの手紙を読んだ。
記憶では手紙をもらうのは知ってたけど、何が書いてあるかはわからなかったから内容知りたかったんだよね。
始めはウキウキした気持ちで読んでたけど、百からの手紙は百の素直な気持ちが書かれいた。
読んでて、1回来ただけなのにこんなに好きになってくれたんだと嬉しい気持ちにもなったし、心に響く、温かい...そんな気持ちにさせてくれた。
百の言葉には人の心を動かす力があるんだなと思った。
それに、万と千と一緒に音楽してて良かったと心の底から思った。
気付けば私も自然と千と同じく泣いていた。
千はさっきの仕返しだと言わんばかりに同じように連写で撮影してくる。
自分もさっき同じ事してたけど、そんなに撮ってどうするんだと呆れてしまった。
「千、もう撮るのやめてよ!」
「僕もさっき同じ事思ったけど?」
そんなに撮ってもどうせ消すだけだと言ったら、泣いてるのが可愛いから消さないで保存しておくと言われた。
「気持ち悪いから消してください・・・」
そんなやり取りに3人で笑い合う。
ファンレターって手紙と違って、相手に気持ちを文字で伝えないといけないから意外と難しいよねと私は思ってる。
もちろん、もらって嬉しい事には変わりない。
言いたいことを文章にするのも、それだけでその人の心を動かすのも誰もができることじゃないと思うし。
だから手紙は奥が深いよね...
この日常もあと少しでなくなってしまう...
イヤだな...もっと一緒にいたいよ、万...
もっと楽しい思い出増やしたい...万の家で曲作りの後にご飯とかはあるけど、遊びに行ったりとかはあまりないし...
「ねぇ、今度3人で遊びに・・・遠出とかして行かない?」
「遠出ってどこに?」
「それはまだ決めてないけど。一緒に考えよ?」
遠出って...七桜がそんなこと言うなんて珍しいな。
(でも・・・まぁ、たまにはいいか。千も賛成って顔してるしな)
「よし!じゃあ、後で作戦会議な。どこがいいか考えておけよ?」
「ヤッター!」
笑顔の七桜を見て千も嬉しそうに笑ってる。
俺も七桜が笑ってた方が嬉しい。
普段は大人びてしっかりしてるけど、はしゃいだりしてるのを見ると、ちゃんと年相応の女子高生だなって思える。
それに、笑ってる方が可愛いし。