第12章 ファンレター
百のファンレターをきっかけにRe:valeの...というか、千の意識に変化があった。
今までよりわかりやすく、やる気があるように見える。
「これからは僕もちゃんとやるよ」
(は?これからは?じゃあ今までは?嘘でしょ・・・今までは適当にやってたんですか?)
「千も心入れ替えてちゃんとやってください」
でも、千が自分で気付いて変えようと思っただけで成長してる。
私だって百がライブに来てくれる日は、いつもより頑張れるし。
ステージに立ってる側の人が客席にいる人好きとか、誰も思わないだろうな。
中にはそんな人もどっかにいるかもしれないけど...
(まぁ、百のことは好きは好きだけど・・・恋愛対象としてと聞かれたら正直わかんないけど・・・)
百の明るい性格と存在は、万や千にも知られていてライブハウスのスタッフが情報を教えてくれた。
「あぁ!最近よく来てる男の子ね。Re:valeの大ファンなんだって」
一緒に来てる女の子はお姉ちゃんで、お姉ちゃんは万のファンだと。
仲の良い姉弟で、サッカー部に入ってたって情報も。
「部活ってことは高校生か。七桜と同じ位かな」
「そうかもね」
近いと言えば近い。百は高3だし。
それから、百のあだ名が【キャプテン】になった。
百の話題がでると2人も気にしてるんだなと思えるから、自然と嬉しい気持ちになる。
百が良い子だってわかってもらえてるみたいで。
ー
万の考え方が少し変わった気がする...
もしかして、他にやりたいことに関して気になり始めてるのかな?
もう気付いてるのかな...どっちにしても意識はしてそう。
もちろん、千は気付いてない。
やりたいことが見つかって応援したい気持ちと、ずっとこのままRe:valeでいてって思う気持ちがぶつかる。
万と話した方がいいのかな...
でも、こういうことって自分から言いたいかもしれないし...
自分のタイミングもあるよね。
早めに話し合ってたら、万は早くにRe:vale抜けるのかな。
どっちにしろ千を納得させないといけないから話し合いすることにはなすけど...
どうするのが1番いいんだろう...
黙って見守ればいいか、万にそれとなく聞いてみるか...
万にとって、良い方にいくようにしたい。
抜けるにしても、残るにしても...
揉めることなく怪我もなく。