第58章 挨拶
「本当、ずっと忙しそうね。休みもないでしょ?」
「今年は特に忙しいかも・・・実は、もう一緒に暮らしてて。俺も家事手伝ってるから、少しは七桜の負担も減らせてると思ってるけど」
様子をうかがいながらこっちを見る。
「そんな不安そうに言わなくても、ちゃんとしてくれてるから助かってるよ」
「よかった。俺、ずっと片付けとか料理苦手でちゃんとしてなかったけど、付き合うようになってから俺もしてあげたいなって思って料理も教えてもらって少しは出来るようになったし、ユキと3人でご飯作ったりも出来るようになったよ」
「そうなの。今度作ってもらおうかな」
「はい!難しいのはできないけど・・・」
「結婚の話はわかった。両家の顔合わせは、少し落ち着いてからってことで。俺もだけど、お前らも忙しいだろうし。結婚式はチャペルにしてくれよ?一緒にバージンロード歩くんだから」
「だろうと思ってたけどさ。何ヶ所かよさそうなとこ選んであるんだ。それはまた今度見せるよ」
「はぁ、もう千呼んでもいいんじゃない?」
「千斗くんも来てるの?」
「お父さんと話したいっていうから。今近くのカフェで待ってる」
「そうなのか?早く呼べ」
千に連絡して、少ししたら千が来た。
「無事、挨拶終わったみたいだね」
「まぁね」
「千斗くん、久しぶりね。なんか前より落ち着いた風に見えるね」
「僕も、もう26だからね」
「少し余裕がでてきなのかな。これからも七桜をよろしくね。お父さんと話あるんでしょ?はい、これ千斗くんの分ね。自分の部屋にいるから、帰るとき呼んでくれる?」
「うん。ありがとう」
「俺に話ってなんだ?」
「話って言うか、話を聞きに来たんだよ。百からは聞いたけど、何か新情報ないの?」
「あぁ、それが少し変なんだ」
「変?」
「今まで、星影潰しのために千葉サロンや、大和のこと、星影のゴシップばっかり探ってたんだけど、それがパタッとやめたんだ」
「もう集まったとか、証拠押さえたとか?」
「いや、確かに千葉サロンは大きいネタだけど大物ばっかりだ。その内の誰かが暴露かネタ売らない限りなかなか抑えるのは難しいハズだ。俺だって全部は知らないしな」
「大和くんと志津雄さんが和解したのは関係してる?」
「そうなのか?俺もそれは知らなかった。でもよかったな」