第58章 挨拶
今、車で私の実家に向かってる。
「あれも記憶の中にあるの?」
「Tシャツのこと?全然ないよ。それにストーリーがやっぱり違う・・・」
「どういうこと?」
「本当は、みんなと一緒にやるはずだったと思うんだよね。Re:valeもIDOLiSH7もデビュー時期がずれたからなのかな?」
「そこは深く考えてたらきりがないよ。今じゃなくても今後あるのかもしれない。それに、彼らはデビューしたばかりだ。僕たちだって出演したことはあるけど、メインでやるのは今回が初めてでしょ?」
「それに、全部その通りになる保証もないしね。少しずつ変ってきてるのかもしれないし」
そう話してると家まで着いた。
「僕、あのカフェにいるから。終わったら呼んで」
千と別れて家の前に立つ。
「俺、ちゃんとスーツ着れてる?」
「大丈夫だよ」
そう言いながら、ネクタイを直してあげる。
「よし!行こう」
中に入ると、お父さんがリビングで待ち構えていて、お母さんはお茶を用意していた。
「あらあら、スーツなんて着てどうしたの?七桜もいつもと違う服装で・・・撮影の帰りかなにか?」
「いえ、今日は大事な話があって来ました」
「お父さん、こっちに座りましょう」
2人と向かい合って座る。
「あの、七桜さんにプロポーズしました。・・・七桜さんを俺にください!」
「・・・・やらんっ!」
「は?/へ?」
私と百はお父さんの言葉にそれしか言葉が出てこない。
「お父さん!この人、言ってみたかっただけだから、気にしないで。そう、百瀬くんプロポーズしたのね」
「はい!今年はスケジュール的に無理そうですが、来年には身内だけで結婚式もしようと考えてます。事務所にも話はしてあります」
「まぁ、俺は聞いてたから知ってたんだけどな。1回やってみたかったのよ。悠斗は男だからできないしな」
「バカなんでしょ・・・?」
「父親をそんな目で見るなっ!父親ならやってみたいことだろ?そんなに怒るなって」
「でも、ビックリしたよ。伝えてるはずなのに反対されたって思った。そう、これうちの親から飲んでって預かってきた。今度会いたいって言ってたよ」
「百瀬くんのご両親とも会っておかないとね。お父さんも今は忙しいから、少し落ち着いてからになるかしら」
「そうするしかないな」