第58章 挨拶
百の家の前。チャイムを押してから、百が「ただいまー」と先に家の中に入って行くのに続いて「おじゃまします」と言って入る。
居間に通され百の隣に座って、お母さんが飲み物を入れてくれる。お父さんと、瑠璃さんもいる。
「いつも、百がお世話になってます」
そう挨拶をするお母さん、瑠璃さんは心配そうに話しかけてきた。
「迷惑かけてないですか?ちゃんとやれてます?」
「2人とも、まずは話を聞かないと。この後仕事だって言ってただろ」
お父さんが助け船を出してくれる。
「今日は、みんなに報告があって来たんだ」
みんなが、黙ってこっちを注目する。
「俺達、結婚する。その報告に来たの」
「「えぇっ!?」」
瑠璃さんとお母さんが凄い驚いてる。
「2人とも落ち着きなさい。七桜さんもごめんね」
「いえ。今まで言ってませんでしたから」
「い、いつから付き合ってたの?」
「デビューした翌年だから、今4年目で5年近くになるよ。ちょうど5周年になる前辺りからは一緒に暮らしてるんだ」
「七桜さんと百が結婚・・・ちょっと待って!結婚ってことは、七桜さんが妹になるってことっ!?」
瑠璃さんは今度興奮して話してる。
「瑠璃、お前部屋行ってなさい。後で騒いでいいから」
そうお父さんが言うと、瑠璃さんは大人しくなった。
「七桜さんが百のお嫁さんになってくれて嬉しい。安心できるね」
「俺も嬉しいよ!」
「七桜さんと千さんのおかげで、百ともちゃんと話せたものね」
「へ?おかげってどういうこと?」
「百には黙っててって言われてたから、今まで言ってなかったけど音楽やるって瑠璃と喧嘩して、私たちとも喧嘩になったでしょ?七桜さんと千さんが家に来てくれてね、百を認めて応援してほしいって言いにきてくれたの。誘ったのは自分達だからって、絶対売れてみせるからって。だから、みんなで話し合って百を応援しようって決めたの」
「そうだったんだ。ユキと一緒に来てくれてたんだね」
「でも、百と一緒で大変じゃないですか?この子掃除もできないし、料理なんてやったことないし」
「始めはそうでしたね。部屋も汚かったし、料理は全然してなかったですけど、今はどっちもしてくれますよ」
「嘘でしょ!?」
「俺もちゃんと成長してんの!」