第57章 MV撮影
「信じるよ。七桜が万を探さなかったのは、小鳥遊事務所で働くの知ってたからでしょ?僕とモモのRe:valeが違うのも、僕らを苦しめないため。それを考えたら今までのことも納得がいく。たくさん写真撮ったり、僕らの関係性を良くしてくれたり。それに、七桜をRe:valeに引き入れたのは僕だ。でも、1つ確認したいことがある」
「曲のことだよね?ノートに書いてある通り、曲名が同じだけど、記憶と今で違う事は?」
「それぞれ楽器してること・・・モモが加わったときに音域を広げた・・・」
大丈夫だ、ユキもちゃんとわかってる。
「俺もできなかった楽器習って、曲作りに参加してるよ」
「それじゃあ、曲も記憶とは違うんだね?」
「うん。確かに曲名は同じだけど、曲調とかバンド演奏にアレンジもしてるから記憶とは違ってる。うちは元々作曲してたから、記憶よりもそっちの影響が大きいのかも」
Re:valeの曲も全部知ってるわけじゃないと言う。デビュー曲とか、ドラマの主題歌になったのも知らないらしい。
「ゲームがIDOLiSH7メインだから、曲もそっちの方が多いし」
「なら、問題ないね。まぁ、3人で作ってるからそこまで疑ってはなかったけど、一応ね」
「ほら、ちゃんとユキもわかってくれたでしょ?これで味方が3人に増えたね!」
「3人って?もう1人・・・万か・・・まぁ、万には言いやすいか。今までよく1人で耐えてたね。ほら、顔見せて?そんな強くは叩いてないと思うけど・・・モモ!どうしよう・・・痣が・・・」
「えぇっ!?ちょっと、ユキー!」
急いで保冷剤を持って来て、ホッペに当てるように渡す。
「明日、残ってたらおかりんに怒られるんじゃ・・・」
「僕が怒られるだけだよ。痛くない?」
「男とは作りが違うんだから、優しくしないとダメでしょ?」
「ごめん・・・」
「これはジムでビシバシ鍛える刑に処す!」
それで許されるならと千は言ったけど、百は少し厳しくない?
「千、大丈夫だよ。心配かけて、ごめんなさい」
「七桜、記憶の話しはもうわかったから。そんな顔しないで」
申し訳なさそうに話す七桜とユキ。
「七桜にはやっぱり笑顔でいてほしいよね!」
「そうだね」
七桜には辛い顔はしてほしくない。もちろん、ユキにも。