第57章 MV撮影
「もちろん。たとえ川だとしてもそばにいてくれるってわかったからね」
「千は、アイドルになって良かったよ。一般社会にいた頃は、3歩歩けばトラブル起こす公害だったからな」
「そうだよね。うちがどれだけ苦労したことか・・・」
「あぁ、歩く公害って」
「3人して容赦ないな・・・」
「そう言えば、あの曲、未完成な僕らは歌わないのか?」
「あの曲はトラウマだ。それに・・・」
「俺はあの曲が、大好きです!大好きだけど、あの曲はバンさんとユキと七桜が作ったRe:valeの曲です。俺は歌いたいとは思えない。俺がファンだった頃大好きだった曲。思い出の曲だから」
「モモ・・・」
「百くん・・・」
「百・・・」
「バンさんはもうRe:valeじゃないけど、Re:valeだった頃の曲まで差し出さないでください!俺は、今のRe:valeで未完成な僕らみたいに大好きな曲作ってますから!」
「百くん、ありがとう。そう思ってくれて俺も嬉しいよ」
「僕もモモはどう思ってるのか聞くに聞けてなかった・・・僕らは僕らの歌を作ろう。3人で」
「そうだね。3人で作ってこう」
また遊びに行くよと万が言って別れて楽屋に入る。
「モモがあんな風に思ってるなんて思ってなかった。1番好きな歌だって言ってたでしょ?」
「だからだよ。1番好きだった歌・・・歌いたい気持ちもあったけど、俺が好きだったRe:valeの大好きな曲だから。大事にしたい、俺の大事な思い出だから・・・それに、3人ならもっといい曲が作れるんじゃないかって思いもある!負けないぞぉってね」
「「百/モモ・・・」」
「へへ、なんかおかしいかな?」
「もっといい曲作ろう、3人で」
「できますよ!今までのだってどれもいい曲ですよ!」
「おかりんもありがとう!」
「なら、もうこの話はしないし、歌おうって言わないよ」
その時、ノックもなしに誰かが楽屋に入ってきた。
「やぁ、Re:valeのみなさん。今日ここで撮影があるって聞いて来たんだ」
「了さんっ!」
「勝手に入ってこないでもらえますか?警備呼びますよ?」
「そんなに警戒しないでくれないかな?僕だって一応関係者なんだけど」
「関係者でも人の楽屋にノックのしないで入りませんよ!誰か!誰か警備呼んでもらえますか?」
おかりんが大声で言う。