第56章 Mission撮影開始
「だから、この世界に七桜がいてくれて嬉しい。いてくれて良かった。じゃなきゃ、こんなに誰かを好きになることもなかったし、今の俺になることもなかった。出会ってくれてありがとう」
百の言葉に泣けてくる。
「あぁぁっ、ごめん!泣かないでー!ほら、見てみてっ!」
と百が変顔してくれる。
「ふふっ、変な顔・・・格好いい顔が台無しだよ」
「か、格好いいって・・・でもいいの。七桜のためなら、泣き止んでくれるなら何でもするよ?」
「うちも、百のためならなんでもできるよ」
「七桜はそう思ってくれるだけでいいよ。それだけで嬉しいから。七桜に何かあったら俺が困る。俺がちゃんと守れるようになるから。一緒にいて?それだけで俺、頑張れるから。ってほら、もうこんな時間だよ!もう寝ないと!これからはいつでも話聞いてあげられるから。俺にも七桜が背負ってる物一緒に背負わして?俺たちこれから夫婦になるんだしさ。ね?」
「うん。ありがとう」
「よし!明日は三月たちに買い物して持ってってあげよう?必要最低限の物しか持ってきてなかったし。明日午後から仕事だしね」
そう言って布団に入った。
百はずっと抱きしめてくっついてくれたから、百にくっついてたらいつの間にか寝ていた。
「ずっと1人で耐えてたんだね・・・気付いてあげられなくてごめんね。まだ頼りないかもしれないけど、これからは俺も力になるから。1人じゃないからね?」
おやすみと言って俺も眠った。
朝、起きるとスッキリとした顔をした七桜がキッチンでご飯を作っていた。
「七桜、おはよ」
「おはよ。もうすぐできるから待っててね?」
お茶だけ出してくれる。朝のハーブティーは恒例になっている。
「これは、ペパーミントだ!スッキリしてて美味しい!ハーブティーはどれもリラックスできるからいいよね」
「でしょ?はいできたよ。食べよ?」
「あれ?和食じゃない。珍しい。面倒だった?」
「違うよ。ホットサンドのやつ買ったから使ってみたくて」
そう言いながら笑う。笑顔が眩しくて可愛い。
「俺は和食好きだけど、朝から用意大変だろうから無理しなくていいからね?七桜が作ってくれた物ならなんでも美味しいし!」
「朝ご飯は大事なんだよ?しっかり食べないと」