第54章 パーティー
「実の父親に失礼のないようにって言われてもね・・・」
「世の中のお父さんは、娘に嫌がられて普通じゃないの?」
「世の中のお父さんたちに謝ってください」
「はは、おかりん大袈裟。大丈夫だよ。七桜はちゃんとした場所ではちゃんと対応するよ」
「そうですね。事務所で着替えてから行きますから。ドレスコードなので。店長さんに用意してもらってます。七桜さんは専属雑誌のメイクさんが来てくれますからヘアメイクしてもらってください。千くんと百くんもですよ」
「「「はーい」」」
家に着いて、お風呂に入ってリビングでくつろぐ。
「とうとう、この靴の出番だね」
「俺、遊びのつもりだったからお揃いにしちゃったけど・・・大丈夫かな?」
「でも撮影なら、スポンサー衣装で用意されてるかもね」
「そっか。撮影したら人集まりやすくなるけど、人選はちゃんとしないとな・・・征司さん達もやるって言ってるから手伝ってもらおうとは思ってるけど」
「いいんじゃない?別に1人で全部やる必要ないよ。征司さんも見る目はあるから頼っていいと思う。お父さんの友達やってるのが不思議なくらいだよ」
「遥人さんは、七桜が思ってるより凄いちゃんとしてる人だよ?それに本人も凄い人だし。俺は、遥人さんに人望があるのわかるから、あぁなりたいなって思う。七桜は娘だから、遥人さんは父親の顔しか見せてないんだよ」
「ふぅん・・・八乙女パパは嫌がってるっぽいけど、知り合いは多いよね。征司さんだったり、別は音楽関係の人だったり」
「それだけすごいお父さんなんだよ?」
パーティー当日。
仕事が終わって、事務所で着替えてヘアメイクをする。
店長が選んだだけあって、可愛い。
「やっぱりドレス着るって嬉しいよね」
「え?」
「そんな顔してるよ?」
「まぁ、衣装として着る事はあるけどすぐ脱ぐからね。今日は長時間着てられるし」
「はい、出来た!ほら、移動の時間だよ?急いで」
「ありがとう!また撮影でね」
いつもしてもらってるから仲良しなのだ。
「お待たせしましたー」
そう言ってみんなの元に向かう。
「可愛いぃー!こんなに可愛いと連れて行きたくないよー」
「モーモ、早く行かないとおかりんに怒られるよ。可愛いのはわかってることでしょ?見せびらかすくらいすればいい」