第53章 Twelve Fantasia Tour
「人数分、2人で持つのは大変でしょ?」
みんなの分を買って、部屋に戻ると疲れ切った様子で横になってる人がチラホラ...
「やっと終わったの?白熱した戦いは」
みんなに買ってきた物を渡すと、久しぶりに燃えたと誰かが言っている。
「百さんさすがですね!運動神経いい人は動きが違います」
褒められて嬉しそうにする百。
でも、それぞれのマネージャーに騒がしいと注意されてお風呂に向かう。私も紡とお風呂へ向かった。
「ふふ、隣は相変わらずだね」
「はぁ・・・男子って何歳になってもうるさいの?Re:valeって最年長のはずなんだけどな・・・」
「百さんと悠斗さんが・・・」
「ちょっと!あんた達、うるさいよ!少し静かにしなさい!」
壁越しに注意すると、隣がザワつく・・・特に百と悠斗。
「モモ、だから言ったでしょ?ゆっくり入ろうって。せっかく人数分けて入ってるんだから。また七桜に怒られるよ?悠斗も」
2人が千に怒られるのが聞こえて、思わず笑ってしまう。
やっと静かになり、紡とゆっくり入ってから部屋に向かう。
少しすると、誰かが部屋を訪ねてきた。
ドアを開けると、百が立っていた。
「少し散歩しない?ここの旅館の庭園、綺麗なんだって」
百に誘われて、庭園を少し歩くことにした。
お風呂上がりに丁度いい風が吹いて気持ちがいい。
「さっきは騒いでごめんね。つい楽しくなっちゃってさ・・・」
「ホントだよ。千にも怒られてたし」
「うん。どうも気持ちがつられちゃうんだよね」
わからなくもないけどさ。百は大抵混ざって騒いでるし、楽しそうでいいと思うと伝えると、楽しい方がいいじゃんとそっちの方がハッピーでしょと笑顔で答えた。
「七桜、こっち来て」
人気のない場所に手を引かれて連れて来られ、抱きしめられる。
「百!?誰かに見られたらっ」
「誰にも見えないから、少しだけこうさせて・・・」
ギュッと回れてた手に力が入る。
「俺ね、ずっとこうしたかった・・・一緒にいるのにできなくて」
「あと少しで家に帰れるよ」
「うん。キスしたい・・・」
百の色っぽい顔が近づき、長いキスをする。
「七桜、可愛い・・・」
何度もキスを繰り返すとこのまましたいと言い出した。
まさか、しないよね?
「冗談。したいのは本当だけど我慢する」