第53章 Twelve Fantasia Tour
「モモは七桜がいないと寝られないの?」
「寝れるよ!ただ、いつもすぐ隣で寝てるから落ち着かないだけだよ・・・」
「ふふ、明日はここで一緒に寝たらいいじゃない。別に3人一緒なんて慣れてるでしょ」
「いいよ。ライブ中だけだし、ユキとの時間も大事だからね」
「そう?さすがに、今日はもう寝よう。明日もライブあるからね」
そう言ったユキはすぐ眠ってしまった。
本当、寝付きはいいんだよね...
次の日、会場入りしてまず昨日の反省会と改善点を話す。
そこを注意して行ってみようと話す。
「七桜、これ忘れてるぞ」
万に言われて、楽譜を忘れてることに気付く。
「ありがとう」
「珍しいな。忘れ物なんて」
「曲作らないといけなくて、ちょっと考えてた・・・」
「あぁ、岡崎さんが言ってたやつか。あまり無理するなよ?今しなきゃいけないことだけ考えろ」
「はーい」
万に言われて集中し直す。
そして、福岡2日目のライブが始まった。
どのグループもしっかり改善されたステージを披露する。
総支配人には昨日より良かったと言ってもらったけど、会長はまだできるはずだと言ってくる...
まぁ、ツアー始まったばかりだし重ねていけばだんだんと良くなるもんだと会長の言葉は深く考えず、とりあえずシャワーに入り、ご飯に行く準備をする。
店まで繁華街をゾロゾロと歩いて移動。目立たないわけがないよね...
「龍ちゃん、また捕まってるよ・・・」
「やっぱり背が高いと目立つのかな・・・環くんとナギくんも目立ってるし」
「あの2人は自ら目立つことしてると思うけど・・・」
「俺の背が低いって言いたいんでしょ!?」
「え?誰もそんなこと言ってないじゃない」
百が身長の話しで拗ねはじめた。
「どうせ、俺は身長高くないよ!七桜も本当はもっと高い方がいいとか思ってないよね?」
潤んだ目でこっちを見てくる...
「思ってないよ。全然、思ってないから」
「あの3人だって目立ってるけどな・・・」
大和がボソッとこっちを見て言ってるのがわかる。
店に着き、みんなが好きな場所に座る。
「バンさんと一緒にご飯食べれるなんて、嬉しいです!」
「俺もだよ。たまにはこうして食べるのもいいね。千と七桜とは離れちゃったけど」
「2人はもつ鍋食べれないんです」