第52章 Re:vale 企画 ②
「随分と強気だな?百に大事な話があるんだ。ここで撮影してるって聞いたんだが」
「知らない人には教えられません!急ぎなら伝えておきますけど?」
「お前に伝えて本人に伝わるか確証がない。まぁ、お前はその内あの人の手に渡るんだろうけどな」
「あの人・・・?」
「あはは、お前可愛いな。あの人より先にお楽しみさせてもらおうか」
男はいきなり手首を強く掴んで、引き寄せられる。
「痛っ!何すんの!?離してっ!」
「そんなに力入れてないけどなぁ~」
カラカウような言い方で話し、手を掴んだまま体を触ろうとする。
「離せって言ってんの聞こえねぇの?」
イライラと気持ち悪さで、大きい声で怒鳴ってしまった。
「怒った顔も可愛いじゃん。そうやって強がってても男の力にかなうわけないだろ」
顔は笑ってるけど声は笑ってないし、これから自分がされるかもしれないことに恐怖を覚える。
離れようとすると、痛みで顔が歪むくらい更に力を入れて掴まれる。
危険だと思いながらも、思いっ切り力を入れて弁慶に蹴りを入れてから背負い投げをした。
「七桜さん!どうしたんですか!?」
背負い投げしたときの音に気付いた壮五が楽屋にやってきて、事の重大さに気付きその場で誰か来てくれるように大きな声で誰かを呼んでくれた。
おかりんが1番に来てくれて、警備の人をすぐ呼んでくれた。
床で伸びてるその人は、警備の人に連れて行かれた。
千や百たちも焦って戻って来る。
「どうしたの!?」
百が私に駆け寄って来て、かなり焦ってる。
「おかりん、何か冷やす物持ってきてくれる?」
手首の痕に気付いて頼んでくれた。
「ごめんね、来るの遅くなって・・・もう大丈夫だから」
百は震える私を抱きしめてくれる。
「一体、何があった?」
「僕も詳しくはわからないんですが・・・七桜さんの声が聞こえた後に大きな音がしたので楽屋に入ったら、さっきの人が床で伸びていて・・・七桜さんが投げ飛ばしたんだと・・・」
「七桜が投げ飛ばしたの!?」
千がビックリすると、百がお父さんに言われて護身術を習ってたことを説明してくれた。
「冷やす物、持って来ました!」
受け取り、手首を冷やす。
「七桜、さっきの人、知ってる人だった?」
「知らない人。頼まれて百に用があるって」