第50章 忙しい日々
「七桜だって女の子だからね。憧れとかあってもおかしくないし、いいんじゃないか?」
「でも、少し冷めてるとこあるじゃん?」
「七桜は冷静だからな。百がやってあげたいならやればいい。喜ばない人はいないから大丈夫だ」
「凛太郎・・・」
「凛太郎が珍しくちゃんとしたこと言ってる」
「おい・・・俺、社長なんだけど?」
「ユキ、これから時間ある?一緒に見に行ってくれない?」
「えっ?一緒に選ぶのはちょっと・・・」
「そうじゃないよ!選ぶのは俺!さすがに、1人で行くのは恥ずかしいって言うか・・・」
「どこの店にするか決めてるか?決まってないならネットで色々検索してみて個室で対応してくれる所にしろよ?店内で見て回ってたらすぐバレちゃうからな」
「それもそうだね。全然考えてなかった・・・さすが凛太郎」
「だてに年食ってるわけじゃないってことね」
「お前ら、俺イジるの好きだよな・・・」
俺は、事務所のパソコンを使って婚約指輪で検索してみる。
一応、有名な店でとは決めてる。
でも、たぶん七桜は海外のブランドや高いだけの店にそこまでのこだわりはない。
「お前ら、ちょっと待て。今日行くつもりじゃないよな?」
「へ?ダメなの?」
「一応、リサーチだけでもしとけ。結婚情報雑誌あるだろ?指輪とかドレスとか会場とか載ってるやつな。あれ買って、どんなのが好きかそれとなく聞いとけ?俺の友達で、婚約指輪のデザイン気に入らないって言われた奴いるからな・・・」
「マジ!?やっぱり気に入ったのが欲しいよね・・・」
「七桜はそういうの気にしないだろ。でも、私服のイメージとは違ってアクセサリーとか食器とか可愛いのが好きだよね」
「お前たちじゃどっちも買いに行けないな。俺が今から適当に買ってきてやるから、帰ったら一緒に見ろよ?ちょっと待ってろ」
凛太郎が、結婚情報雑誌を買いに本屋まで行ってくれて、一緒に見たらユキと相談して買いに行こうかって事に落ち着いて、今日も七桜の家に帰る。
その頃...
私は仕事を終えて、おかりんに送ってもらっている。
「七桜さん、百くんのことなんですが・・・」
「百がどうかした?」
「よろしければ、このまま一緒に住んではいかがですか?前から同棲したいって言ってましたし・・・」