第49章 Re:vale 5周年記念ライブ
「九条が言ったことは全部忘れるんだ」
「そうだよ。悠斗が変わりに言ってくれたからスカッとしたよ。百だってちゃんと輝いてるよ?悠斗にはそう見えてるの。他の人だってそう見えてるんだよ?」
それでも、百は辛そうな顔を見せる。
「でも、こけら落としで歌えなかったら?会場の人たちみんなが思うのかな・・・俺じゃなかったら、Re:valeは完璧だって・・・」
「そんなこと、誰も思わないよ」
「何でかな。さっきまでは普通でいられたのに、今は楽しめない・・・歌えなかったら、俺はもう、Re:valeじゃいられない・・・」
どうして、百がそんな風に思わないといけないの?
これも全部、九条のせいだ...
「ふざけるな!何がRe:valeじゃいられないだ!モモと七桜がいてRe:valeだろ?違うのか?歌えないのは僕だって心配だ。けど、焦る必要はない。モモらしく歌えるようになるまで僕らは待てる。それに、そんなこと言うなら2人の結婚には賛成できない!モモに七桜は預けられない。僕がもらう!」
「はぁ?何で千にそんなこと言われないといけないの?」
「七桜は黙ってろ!」
あまりにも怒った顔で言うから、何も言えなくなった...
「モモ、それでいいのか?僕たちはモモがRe:valeでよかったと思ってる。それとも、モモが僕をまたこの世界に引き戻したのに、無責任に自分は離れるつもりなのか?あいつに言われたことは聞き流せ。あいつと僕ら、どっちが信用できる?」
「それは、ユキと七桜だけど・・・あのゼロをプロデュースしてた人が言うんだから」
「確かにゼロは凄いのかもしれない。けど、時代の流れってあるじゃん。当たり前だけど、昔と今じゃ色んな物が違ってる。15年以上も前に活躍してた人だよ?昔活躍した人って、凄いって言われがちだし」
「まぁ、確かにそうね。お笑い芸人だってゼロみたいな存在の人はいるよね。でも、今のお笑いだって十分面白いし」
「ユキってお笑いとか見るんだね・・・」
それ、同じ事思った...何か、想像できないんだけど。
「なんとなく、風景映像とかドキュメント流してそう」
「そうそう!海の番組とか!」
「まぁ、そういうのも嫌いではないけど・・・」
やっぱりそういうのも見るんだ。それはイメージ通りっていうか...って話しズレた。