第48章 百の声
その続きを話せない...
「見つかったとしても、僕は戻りたいとは思わないよ。七桜が言う通り、きっと他に仕事してるだろう。始めから言ってただろ?ずっと一緒にやっていこうって」
「ユキ・・・」
「誰か、七桜のこと呼んで来てくれない?」
そう言えば、七桜の姿がない...
「七桜は?今どこにいる?」
「おかりんと龍之介くんが着いててくれてる。モモに会いたくないって泣いてたよ。ちゃんと話するんだ。このままじゃダメだってわかってるだろ?」
「俺、ヒドいこと言って・・・七桜の事、傷つけた。どうしよう・・・」
「モモの本心じゃないことくらいちゃんと話せばわかってくれるさ」
ユキはそう言ってくれるけど...
楽が呼びに言ってくれてる。
「おかりん、うちどこで間違えた?ちゃんと百のこと見てきたはずなのに・・・こうならないようにやってきたつもりだったけど、ただの自己満足だったのかなぁ」
「そんなことないですよ」
「そうですよ!百さんはきっと今、余裕がないんですよ。だからあんなこと言っちゃっただけですよ」
「そうですね。百くんは誰よりも努力してる七桜さんを見てるんですから。つい勢いで言ってしまっただけです」
その時、楽が千が呼んでるから来てくれと言いに来た。
「ほら、行きますよ?」
私は、仕方なく連れられて楽屋に向かう。
七桜が楽屋に来て、ユキは2人できちんと話をしろとみんなを連れて先にスタジオに戻った。
七桜は気まずそうな顔をしてる。
「七桜、さっきはごめんなさい。俺、ずっと歌えなかったらどうしようって、このままじゃ続けられない、そればっかり考えて全然余裕なくなってた・・・俺が、誰よりも七桜が努力してるの知ってるはずなのにあんなヒドいこと言ってごめんね・・・だから、泣かないで・・・」
そう言って、涙をぬぐう。
「何もしてあげられなくて、ごめんね・・・苦しんでるのわかってるのに・・・」
「七桜は俺のために、心のケアしてくれてたよ!俺が自分のことしか考えてなかったんだ・・・本当、感謝しかないのにさ、わかってくれるって俺、甘えてたんだ・・・本当、ごめんね・・・」
そう言って抱きしめる。
「俺、ユキが言ってくれたこと嬉しかった」