第48章 百の声
「話してください!俺もこの前まで1人で悩んで、グダグダ色々考えてました。でも勇気を振り絞って話したら、なんでもないことみたいに、悩みがほどけていったんです」
「七瀨さん・・・」
「だから、もう百さんも、無理に笑わないで・・・」
(俺、無理して笑ってた・・・?のかな・・・)
「無理して笑ってるつもりはなかったけど・・・そうだな。今のRe:valeはね、俺が入って2代目なんだ」
「2代目って・・・」
「ユキと七桜の他に、別なもう1人がいた。それが初期メンバーのRe:valeなんだ。俺はそんなRe:valeのファンだった。3人で曲を作って、仲も良くてさ。たくさんファンもいた」
俺が見ていた頃に感じた事やRe:valeに対する想いを話した。
「何故、Re:valeは今の形になったんですか?」
「それは、ライブ中にステージで事故が起って七桜とその人も怪我したんだ」
それから、デビューの話がなくなったこと、有名なプロなプロデューサーに声をかけられてたこと、相方を人質に取られ、ユキがその話にのってしまったこと、そして相方が行方不明になったことを話した。
「俺は、Re:valeのスタッフとして働いてたからメンバーとも親交はあったんだ。それで、七桜と話したんだ。歌を辞めようとしてるユキを止めたかったから・・・俺が一緒に歌いますって言って、今のRe:valeになったんだ」
「そうだったんですね・・・行方不明の相方さんは今、どちらに?」
「まだ、見つかってない。ユキは今でも探してる。5周年記念ライブまでに見つけてほしいって電話で話してるの聞いちゃって・・・」
「百さん、見つかったとしても今のRe:valeが本物のRe:valeでしょ?」
「そうなんだけどね・・・俺、こんな状態だし、相方見つかったら交代した方がいいのかなって・・・少し思ったりしちゃうんだよ。いつ歌えるようになるのか、わからないから・・・」
そうしたくないと思いながらも、最悪を考えてしまうのが凄く、辛くて、悲しい...
「百さん・・・」
「モモ、そんな風に思ってたのか?」
ユキが楽と一緒にそう言いながら楽屋に入ってきた。
「百さん、千さんが相方探してたのには理由があったんですよ!」
そう言って、楽が理由を話してくれる。
「でも、見つかったら」