第48章 百の声
私はフルーツ盛り合わせを持って、小鳥遊事務所へ向かう。
中に入れてもらって、万に持つのを手伝ってもらう。
「なんか、悪いな。差し入れなんて・・・百くん大丈夫か?」
「うん・・・あんまり大丈夫ではないのかも・・・」
「何が原因かわからないのか?」
「わからなくもないけど・・・そうならないように昔から動いてきたかし、記憶と同じかどうか・・・」
「何か策があるのか?」
「まぁ、それは後で話すよ。とりあえずは差し入れ持ってかないと」
そう言って、みんなが集まってるレッスン室に入る。
「あっ!姉ちゃん!」
そう言って誰よりも早く近づいてくる悠斗。
それに続いて、環、陸、三月...
「みんな、これRe:valeさんからの差し入れだって」
それぞれ、ザワザワして喜んでて嬉しそうにしてくれる。
「あぁ、このフルーツ盛り合わせ姉ちゃん美味しいって言ってたやつだ!」
「そうそう。ご飯だと好みが分かれるから、フルーツにしたの。苦手な物あっても、種類があれば食べられるでしょ?」
「七桜ちゃん、ありがとう。わざわざ持ってきてくれて悪かったね」
「叔父さんにも、全然会えてなかったから顔出しに来たの」
「本当かい?それは嬉しいな。君たちは、休憩終わったらマネージャーの指示に従ってね?じゃあ、部屋に行こうか」
「姉ちゃん、何時までいるの?レッスン終わったら俺も行ってもいい?」
「七桜ちゃんは、遅くまではいないよ?遅くならないうちに帰さないとね」
みんなにお礼を言われ、社長室に向かう。
「みんな、頑張ってたから差し入れありがとうね。ますますやる気になったと思うよ」
「そうだといいけど」
「それで、百くんは調子どう?」
「まだ、歌えない・・・叔父さん、ちょっとだけ万と話してきていい?」
「それは、構わないよ」
「すぐ、戻ってくるから」
万のところに行って、別室で話をする。
「それで?そうならないようにしてたってのは?」
「過ぎたことだし、現実と違うから言うけど、本当なら5年の期限を気にして声が出なくなるの。千のこと説得するときに、万と組んでた5年だけでいいから一緒に歌ってくださいって説得するはずだった。でも、うちはその言葉が百を苦しめるのわかってたから、その時思ったとしても絶対言わないでって頼んだの」
それなのに...