第47章 異変
次の日、七桜は別な仕事でずっといない...
「モモ、昨日は・・・」
「全然、異常ないってさぁー。やっぱり、俺どこも悪くないんだよ!何で声出なかったのかなぁ・・・」
「あんまり、声が出ない事を考えすぎない方がいい。考えすぎて逆に出なくなるかもしれない」
「そうだね。今ね、七桜の家にいるんだ!おかりんと七桜が声出るようになるまで、疑似同棲していいって!」
「いつもは厳しいのに、よかったでいいのか?」
「そうなんだよね。声が出ないのは深刻なんだけど、そのおかげって言ったら変だけど一緒に住めてる・・・」
「引っ越しまだ先なんだし、今はゆっくり楽しみなよ。それが1番の薬かもしれないね」
「そうかな?そうだよね!あまり考えないようにはしてるけど・・・」
「モモは、こけら落としのポスターの落書きは知ってる?」
「あぁ、俺らのポスターに書いてあるって・・・Get・・・なんとかでしょ?今騒がれてるよね」
「モモは気になる?」
「気にならないわけじゃないよ?俺らのポスターに落書きされてるんだしさ!噂だと、ゼロが書いたとか、カバーに怒ってるとか言われてるけど、俺は違うと思うんだ。だって、もし本人なら直接抗議すればいいだけだろ?注目される舞台からいなくなった人が、こんなんで注目されようとはしないはずだよ」
「あぁ、そうだね。モモの言うとおりだ。僕も気にはしてなかったけど、少しそう思ってるのかなって思ってたよ」
「七桜は、全然気にしてなさそうだよね?」
「そうね。いつまでも続いたら怒りそうだ」
「確かに!言いたいことあるなら直接言いに来い!って怒りそう」
2人で意外と普通に話できてる。よかった...
仕事が終わって七桜の家に帰る。
今日は、俺の方が早いからご飯作って待ってよー!
作れる数少ないレシピから、クリームシチューを作る。
カレーと材料ほとんど一緒だもんね。おかずは買ってきたやつをレンジで温めて、サラダは野菜を適当な大きさに切って盛り付ける...
(なんか、不細工だな・・・)
七桜とユキのはもうちょっと綺麗だし、美味しそうなんだけど...
そう思ってると、玄関から声がした。
「ただいまー」
「七桜!おかえり!」
勢いよく抱きつく。
「遅くなってごめんね」