第8章 新生活
万が助っ人募集のため楽屋を出て行った。
千はこっちを見て微笑みかけてくるのが怖いです...
「七桜って本当可愛い顔してるよね。だからみんな僕と何かあるんじゃないかって思うのかな」
「みんなっ!?」
「あの助っ人だってそのためだけに助っ人で入って確認しようとしたんだし、他にも思ってる人いるんじゃない?」
「まぁ、そう考えるとそうかもしれないけど・・・」
みんながそんなこと思ってたらその内刺されて殺されてしまうのではないだろうか...
「なら、本当にそういう仲になる?」
「は?」
(今なんて?とんでもないこと聞こえた気がするんだけど?)
「僕と付き合ってるか他の人が気になってるなら、付き合っちゃえば揉め事もなくなると思わない?」
「まったく思いません。何言ってんの?」
「何って、そのままの意味だけど?」
(・・・こいつ、頭おかしいのかな?呆れて言い返す気にもならん)
本気じゃないのにどうすればそんなこと言えるのだろうか...
付き合うって言ったとしたら後から困るくせに。
絶対付き合うなんて言わないし、付き合わないけど。
「聞いてる?」
「聞いてません。そういう事は冗談でも言ったらダメだよ。千は誤解されやすいんだから。人付き合いの勉強ちゃんとした方がいいよ」
「どうして冗談言うの?」
「本気じゃないでしょ?うちが付き合うって言ったら後から困るくせに」
「別に困らないよ」
「そ、それに、千は綺麗な人がタイプでしょ?うちとは全然違うし無理だよ」
「タイプは関係ないよ。七桜のことは見た時から可愛いなって思ってたし」
そんなこと言われると恥ずかしいし、顔も赤くなるのがわかる。
「赤くなってる。可愛い」
「からかって面白がらないでよ!」
万がその場にいなくて止めてくれる人がいないから耐えられず楽屋から出てトイレに向かった。
(ん?七桜、どこ行くんだ?)
「千、七桜に何かしたのか?」
「別に。付き合う?って言ったら、からかうなって照れちゃったみたい」
「あのな・・・」
「僕と付き合うのイヤなのかな」
「お前の付き合うの意味を考えてから言えよ。探してくる」
七桜は千とのこと言われてるの気付いてるんだろうか。
あの見た目だ、可愛いのが気に入らない人もいるみたいだし。