第47章 異変
「5周年コンサートまでには必ず見つけ出してくれ!」
探す、見つけ出す、5周年コンサートというワード...バンさんの事だ...ユキは、今までずっと探し続けてたんだ...
「百?」
声を掛けられて、ビクッとした。
「七桜!ビ、ビックリしたぁ・・・」
「中、入んないの?」
「ユキ、今電話してるから・・・」
百が、暗い顔してる。もしかして!今日、万探してって電話の日!?今、まさにその話してるの?百...大丈夫だよね?
「ほら、入ろうよ!そのお菓子食べよう!」
「そう、これ共演者の人が持ってきてくれたからもらってきたんだ!」
そう言って、楽屋に入る。
「あぁ、七桜お疲れ様」
「百が、お菓子もらってきてくれたから食べよ?」
「それ、前に七桜が言ってたやつだよね?モモ、ありがとう」
ユキは、いつもと変らない態度をとってる。
「そうなの。さっき見つけたから、ユキにもあげようと思ってさ!七桜が戻って来たら一緒に食べようと思って」
そう言って、みんなでお菓子を食べながら話をする。
俺は、さっきの電話が気になって話半分で聞いて答えてた。
バンさんが見つかったら、ユキはどうするんだろう...
ずっと一緒にやっていくって言ってくれた...
でも、どっかで俺は邪魔なんじゃないかって思ってしまう。
あんなに仲の良かった相方だもん、俺もそれは見てきた。
元のRe:valeに戻る方がいいのかな...
その日、俺はずっと考え事しながら仕事をした。
その様子に七桜が気付かないわけがなかった。
「百、今日家行ってもいい?」
「俺の部屋?別に、いいけど・・・」
「なら、帰りに買い物してから帰ろ?ご飯作ってあげるからさ」
「やった!今日は、何かなー?」
楽しそうに献立考えてるけど、様子が変だ。
仕事が終わって、千と別れ、買い物に行く。
「こうやって、買い物してるとさ、新婚さんみたいだね!」
「周りにはそう見られてるかもね」
カートを押しながら、そんな事を話す。
「七桜、俺、お肉ゴロゴロオムライスがいいな!」
「ふふ、お肉ゴロゴロね?じゃあ、早く買って帰ろう?」
必要な材料を見て、買い物をして家に帰る。
「今、少し散らかってるんだよね・・・」
「いつもはそんな散らかってないよね?」