第47章 異変
これから行くとラビチャを送り、手土産にはお母さんが好きなお菓子の詰め合わせを買った。
「き、緊張してきた・・・」
「じゃあ、やめて帰る?」
「帰んないよっ!」
もう!と言って怒る百が可愛くて見ていると、よし!と気合いを入れ覚悟を決めたみたいで玄関を開けた。
「いらっしゃい。久しぶりね、さぁ、早く入って」
お母さんが出迎えてくれて、リビングに行くとお父さんは客が来たというのに普通にくつろいでいる...
「あの、これよかったら食べてください」
百は買ってきたお土産をお母さんに渡すと、いつも売り切れで買えなかったとお母さんは喜んだ。
さっそく食べようとお茶を入れてくれて、向き合って座る。
「会うのは久しぶりでもねぇな。家に来るなんて珍しいんじゃね?」
「あ、あの・・・今日は大事な話があって来ました」
「大事な話?何だ、改まって」
変な緊張感が部屋に漂う...
「実は、七桜さんと結婚を前提にしたお付き合いをさせてもらっています。その報告をしに来ました!」
「あら・・・」
「前に好きだって言ってたもんな。噂も聞いてたし、相手が百瀬で良かったよ。千斗だったらどうしようかと・・・」
「ユキ?ユキはイケメンのジェントルマンですよ?」
「そう思ってるのはお前だけだよ・・・でも、万里と一緒にいたときよりは、大分まともな人間になったけどな」
「そうだね。それは百のおかげだから、本当感謝しかない」
「えぇ?俺は何もしてないって!それを言うなら、七桜の事好きになったからなんじゃない?」
「それはないね。うちが変わったなって思ったのは、百が説得し始めてからだもん」
「まぁ、千斗はどうでもいいけどさ。結婚前提って、いつすんだ?」
「それはまだ決まってません・・・」
「うちも百もまだ20代だよ?」
「別に年齢は関係ないでしょ?私たちだって20代で結婚したし」
そうだったぁ...この人達早いんだった。
「七桜はまだ22だからな・・・芸能界でとなると早いな」
「えっと、その時はまた改めて挨拶に来ます。今日は付き合ってることを報告しに来ただけですから。身近な人にしか言ってなかったし、悠斗にも話してません。今日来たのは、俺が勝手にケジメつけたかったんです。いい加減な気持ちで付き合ってるわけじゃないって・・・」