第47章 異変
ある日、百が突然私の実家に行きたいと言い出した。
この前、天が交際5年過ぎた婚約者かなにかって言ったのが気になってたみたい。
「婚約してるわけじゃないけどさ、結婚前提に付き合ってるわけだし・・・挨拶くらいはちゃんとしなきゃと思って。どうかな?」
「連絡すればいつでも大丈夫だと思うけど?でも今更挨拶?」
「2人とも良くしてくれるけど、Re:valeのメンバーって認識でしょ?これからも一緒にいるんだし、プロポーズはまだだけど、その内ちゃんとするし、気持ちの問題っていうか・・・男の責任というか・・・」
(男の責任とは・・・?)
「明日にでも連絡して聞いとくね」
「うん、ありがと。こういうのって緊張するね」
親に挨拶かぁ...先を約束したけど、付き合ってますって挨拶するものなのかな?
どっちも百のこと気に入ってるから、なんの問題もないと思うけどな。
Dis Oneのアレンジは順調に進んでいる。
この曲はドラム叩きたいと思ってたんだよねぇ!ギターも格好いいんだけど。
「七桜、ここもう少しドラムの音強くしない?その方が全体的にバランスもいいと思うんだけど」
「あぁ、そこね。うちも悩んでた」
「俺もそっちの方が格好いいと思う!ロック色が強くなるよね」
この曲では2人は踊る予定になっている。
征司さん達もバックに付いてくれるし、楽器メンバーは揃ってる。
「さて、頑張ってアレンジ仕上げるか」
「そうだね!」
気合いを入れなおし、アレンジは一応完成した。
あとは、音入れの時に変更がなければ直してって感じか。
今日の百は、私が親に連絡をしてから返事返ってきたか何度も聞いてくる。
「何?結婚の挨拶でもしに行くの?」
「ち、違うよ!いや、違くもないかも?その、約束はしたから、付き合ってますって挨拶しないとって思って。ケジメって言うかさ・・・将来的にはそうなるわけだから・・・」
「いいんじゃない?モモの人の良さが出て。どうせ挨拶することになるんだし、僕はモモっぽくていいと思うけど」
(百っぽいかぁ・・・確かに誠実とか真面目とかは百っぽいかも・・・)
そんなことしなくても、お父さん達はわかってると思うけど。
そう思ってると、携帯が鳴った。
「今日、少し早く帰るから来るとき連絡してだって」
「きょ、今日!?お土産買わなきゃじゃん!!」