第46章 後輩達との共演
家に着いて溜め息をつく。
「お帰り。溜め息ついてどうしたの?」
「百、来てたの?ご飯は?」
「食べてから来たよ?今日、悠斗の寮でご飯食べるって聞いてたから。何かあったの?」
手を引かれて、ソファに座る。
「大和にさ、キツいこと言っちゃって雰囲気悪くして帰って来ちゃったんだよね・・・」
「七桜がキツいこと言うって、そうとうだね?それで大和が怒っちゃったの?」
優しく聞いてくれる。
「千がさ、映画に出ろってしつこく言ってるでしょ?それに困ってたから、まぁしつこいから覚悟した方がいいよ的なことをね」
「大和は何をそんなに嫌がってるの?志津雄さんが関係してるのかな・・・」
「うちらは千から聞いてるから知ってるけど、本人はそうは思ってないし、みんなには知られたくないって思ってる。知ったような口きくな、何も知らないくせにって」
「知ってるけどね。それでキレちゃった?」
「はは、デビューしたての新人が映画に出ないかって言われるのはまずないし、この状況がチャンスってわかんないなら、辞めたらって。千はエキストラから頑張って、認めてもらえて役名もらえたの知ってるし、それでイラッと・・・」
「大丈夫じゃない?今頃言われたこと考えて、気付くよ!スーパーポジティブ陸だっているし、悠斗もいる。三月も、一織も環も壮五もナギも。みんな、七桜のこと好きだから。もちろん大和もね。きっと部屋からでてきて、悠斗にグチグチ言われてるよ。だから、落ち込まないで?」
「うん・・・」
「まだ元気ない!モモちゃんの変顔見る?」
「ふふっ」
笑いながら泣いてしまう。
「泣かないで・・・七桜が泣く必要ないよ?」
ついキレちゃって、大和を追い詰めたかもしれない。
そんな罪悪感で申し訳なくて...
「七桜、泣いちゃやだよ。泣いてる顔も可愛いけどさ、やっぱり笑ってる顔が1番可愛い。なんかして遊ぶ?それとも、ドライブする?」
「・・・海、海に行きたい・・・」
「よし!じゃあ、行こ!ほら準備、準備!えっと、防寒は車に積んであるし、あとは・・・」
「温かいお茶。ハーブティーでもいい?」
「うん!俺もそれ好きだから。温まるし」
準備をして、車に乗り海に向かった。
もう夜も暗いし、誰にも気付かれないだろう。
少し車で走る。