第7章 気持ちの変化
正式加入が決まった時にお父さんが出した条件がある。
私が高校を卒業するまで保護者になること。
ライブが終わった後は家まで送ること。
この2つは私も知ってる条件で2人には細かく他にも条件があるらしい...
送ってもらった帰りに家に寄って、お父さんや友達がいたら音楽の話をしたり悠斗と一緒に遊んだり、ご飯食べたりと家族とも仲良くなっている。
ー
七桜が帰った後、千が突然フッと笑い出した。
「急に笑ってどうしたんだよ」
「いや、今日の七桜が可愛かったなと思って」
突然何を言い出すかと思ったら...
「七桜はいつも可愛いだろ」
千が言いたいのはそういうことじゃなく、今日叩かれたときの様子やライブでの集中してる様子、色んな顔が見れてそう思ったらしい。
「お前、七桜に惚れたとか言わないだろうな?」
「それはないと思うけど。確かに可愛いよ。けど僕は綺麗な人がタイプだし。万の方が七桜みたいな子タイプなんじゃない?」
「バカ言え。俺はしっかりした妹が出来たと思ってるよ」
「ふぅん、妹。・・・確かに七桜って中1の割りには大人だよね。音楽のレベルも高いし」
「女の子はしっかりしてるって言うしな。それに七桜は悠斗もいるから尚更なんじゃないか?確か5、6歳離れてるよな」
「そんなもん?」
「お前、七桜に絶対手出すなよ?」
「たぶんないと思うけど?」
たぶんないって...こいつ自分が普段どうなってるかわかってないのか?
楽屋にいても目で追ってるし、隣に座ると嬉しそうにほんのり顔赤くしてるくせに。
「お前、全然気付いてないんだな・・・」
「何が?」
「自分が七桜に対してどんな行動とってるか、思い返してみたらどうだ?」
気付いたらそれはそれで問題だけど...
「七桜に対して取ってる行動?何それ」
「いや、気付いてないならいいよ」
「何言ってるかわかんないんだけど」
千が自分のことに鈍くて良かった...
まぁ、気付いたところで七桜は相手にしないとは思うけど。
隣で千はずっとわからないって顔してブツブツ言っている。
こいつ、女遊びはするくせに初恋はまだなのか?
今はまだしばらくわからないままでいてくれ。
七桜も同じく。