第7章 気持ちの変化
私が正式なメンバーになってライブをするようになり少し経った頃...気のせいと思いたいけど嫌がらせのようなものが増えてきたような気が...
ほとんどは千絡みだろうというか、絶対そうなんだろうけど...
いつの時代も女が絡むと同じなんだなと客観的に思ってみたり。
確か記憶の中にも同じようなことがあった気がする...
いい加減にしろとは思うけど、万が上手くフォローしてくれてるし、その分優しくもしてくれるから弱音を吐くわけにもいかない。
それにそんなものに負けたくもない。
「千!お前いい加減にしろよっ!七桜に何かあったらどうすんだよ!」
「曲ができないと苦しくて・・・」
「苦しくて、じゃないよ!女に頼るな。自分でなんとかしろよ。遥人さんにも始めに言われただろ!」
「あぁ、うん」
万は千のせいで私に何かあったらと心配してくれてる。
そう話しながら楽屋に入ると、派手な格好をした知らない女の人が立っていた。
「あの・・・ここ関係者以外立ち入り禁止ですけど」
そう伝えると勢いよくこっちに向かってきて、バチン!といきなり頬を叩かれた。
えぇ!?...突然のことにビックリして放心してしまう。
万は千にどういうことか問いただし、うっすらしか覚えてないらしいが、どうやら前に万と喧嘩したときに遊んだ女の人だと判明。
誤解だと話をして、即刻出て行ってもらった。
「七桜、大丈夫か?これで冷やした方がいい」
濡らして冷やしたタオルを万が持って来てくれた。
「いつかこういうことが起るんじゃないかって思ってたよ。ちゃんと七桜に謝れよ!」
「ごめん・・・」
ただ言葉を言っただけで、ごめんとは思っていないごめん...
これには万と2人で溜め息をつくしかなかった。
「いいよ、別に。そこまで強く叩かれたわけじゃないし。最初に部屋に入ったのが悪かったんだよ」
「七桜は1つも悪くないからな!悪いのは千だから」
ここまでとはなぁ...歩く公害とはよく言うもんだよ。
何があっても僕は悪くないって顔と態度...
叩かれたところは痣ができることも腫れることもなく、ライブも無事終わることができた。
いつもは家まで送ってくれるけど、今日はお父さんが迎えに来てくれるから現地解散。
家まで送るのはお父さんが出した条件の1つなのだ。