第42章 小鳥遊事務所 始動
「なんかあったの?じゃないよ。あのSNSなんだよ!真相って?なにが真相なわけ?」
「あんなの、いちいち気にしないの!撮影で染めただけだし、撮影で付けたそれが真相。あんたもデビューすんでしょ?これぐらいで騒いでらんないんだよ!」
「やっぱりガセかぁ、よかった。俺のデビューまだ先だと思う。万里くんに教わってるけどさ、俺とは違ったやり方だからすごい勉強になるんだ。教わりながら作ってはいるけど、もうちょっと教わりたい。万里くんの音楽もっと聞きたいから」
「そぅ。凄いのは当たり前でしょ?誰だと思ってんの?ちゃんと迷惑かけないようにね。千は岡崎でデビューしてほしかったみたいだよ」
「マジで?俺も迷ったけど、姉ちゃんとこオーディションしてなかったからさ・・・身内のとこになっちゃったけど、そっちの方が安心だってお母さんも言ってたし」
「それはあるね。まぁ早くデビューできるように頑張りな」
「うん。千くんと百くんに今度ご飯行こうって言っといて」
「はいはい、じゃあね」
電話を切った。
その日、いろんな人にSNSの話を聞かれて、おかりんに愚痴ってる。
「みんな、真相真相ってうるさいんだけど!何も意味ありませんってつぶやけばいいの?」
「落ち着いてください。そこまで深掘りされてる訳ではないので。でも一応、百くんと会うときや家に来たりするときは気を付けてくださいね。今回の事で記者が動く可能性もあります」
「だったらそのまま撮影でやりましたって言った方がいいじゃん!実際そうなんだから!」
「どうしたの?ひどく荒れてるじゃない」
「今日1日、色んな人に聞かれてたので噴気してたとこです」
「あぁ、SNS?みんな暇だよね。ただの雑誌の撮影の写真じゃない。真相もなにもそれが真相でしょ」
「でしょ?うちもそう思うんだよね。気にしてないけどさあんなに聞かれるとウンザリしちゃう・・・」
「僕たちはそういう世界に生きてるからね。まぁ、そう噴気しないで。モモもそろそろ来る頃だ。あっちも噴気してると思うよ?」
「はは・・・千、悠斗が今度ご飯行こうって言ってた。まだデビュー先っぽいって。作曲の勉強面白いってさ」
「そう。早く共演できるといいね」
「お疲れさま。ちょぉっとぉ!あのSNSなの?真相ってなに?雑誌の撮影でしょ?本当の真相は内緒だよ!って聞いてるの?」