第39章 新しい動き
「この先、音楽をしていくのならきっと今日の事は生きてくると思うよ。それに、なかなかこんな機会はないからね。七桜ちゃんには感謝しなくちゃいけないね」
「いやいや」
「では、これより最終審査に入りますので、みなさんはここでしばらくお待ちください」
私たちは部屋をでて社長室に向かった。
「聞いた感じどうだったかな?」
「みんな、まぁよかったんじゃないかな。特別上手いって人は身内のひいき目になるけど、悠斗だけかなぁ。でも声のバランスは良かったかも。三月は半音上げても歌えてたしね」
「そうだね。ピアノの半音とカラオケで半音上げて歌うのじゃ音も取りずらいだろうし」
「そう!だから凄いなって思った。基本みんな上手くはあるよ。レッスンは当たり前だけど必要かな。悠斗どうするの?」
「確かに悠斗は他のみんなと違うかな。レベルが群を抜いてるね」
「紡はどう思った?」
「私?私はみなさんとてもよかったと思います」
「それはどうして?」
「どうして・・・みなさん一生懸命でキラキラしてました」
「一生懸命なのは当たり前だよ。みんな頑張ってるんだから。キラキラして見えたのは?みんな?」
「七瀬さんが1番キラキラしてました。みなさんそれぞれいいところもあります。これまでいろんな審査しましたけど、自分の得意としてる場所ではキラキラして見えました」
「叔父さん、悠斗は他の7人と違いすぎるよ。8人でデビューはやめたほうがいいと思う」
「俺もちょっと、そう思います。他の7人なら、身近に感じるというか、悠斗が一生懸命じゃないって言ってるわけじゃなくて、他のみんなは一生懸命さみたいなのがファン心理にささるかなと」
「そうだね。親しみや応援したい気持ちは必要だ。グループとしてならバランスもね。悠斗くんは確かにレベルが違うね。紡、マネージャーになるのは君だ。君はどうしたい?」
「私ですか・・・」
「悠斗は落とそう。バランス悪いよ。音楽やりたいならソロでやればいい。グループでやりたいなら誰か探せばいい」
「そうか・・・七桜ちゃん、悠斗くんはうちが預かっていいかい?七桜ちゃんはもしかしたら岡崎でって思ってるかもしれないけど」
「でも、どうするの?」
「悠斗くんも曲を作ってる。万里くん、悠斗くんに1から音楽作り教えてあげてくれる?」