第38章 期待の新人
「パパもちゃんと説明してあげなきゃダメじゃん」
「お前達のパパではない!」
「別にいいじゃない。ほら、誤解がとけたならもういいかな?僕らもまだ打ち合わせ中なんだ。この後仕事もあるからね」
「すいません。お時間とらせてしまって。僕らは失礼します。七桜さん、また」
「またねー」
七桜さん、昔よりももっと可愛くなってたな。やっぱり実物の方が可愛い。
打ち合わせも終わり、後は当日を控えるだけだ。
「おかりん、俺今日もう上がりだから、ここで解散でいいかな?」
「お買い物ですか?」
「うん。ちょっとね」
「わかりました。気を付けてください」
「じゃ、七桜もユキも頑張ってね!」
俺はその足で用事を足しに向かった。
千を仕事場で降ろしてから、ドラマの顔合わせに向かう。
「おはようございます。宜しくお願いします」そう言って中に入ると、全然知らない新人から、そこそこの俳優、主演の俳優さんがいた。
自分の席に座り、両隣の人にまずは挨拶をし、台本をだして準備しておく。
志津雄さんが入って来た。えっ?志津雄さん?聞いてないけど?おかりんに確認すると、おかりんも知らなかった。
それぞれ、役名と一緒に自己紹介される。志津雄さん主演の祖父役だったんだ...
気になる視線がある...若手の俳優がこっちを見てニヤニヤしてる。気になって見ると目が合ってニコっとされる。
一応笑っておいたけど...
顔合わせが終わり、撮影頑張りましょう!と。衣装合わせあるから残らないと行けない。
さっきのやつが話しかけてきた。
「Re:valeの七桜さん。これから期間中よろしくお願いします。嬉しいです、共演できて。七桜さん可愛いから、俺色々と仲良くなりたいなぁ」
「こちらこそ、よろしくお願いします。仲良くなれるかどうかは、どうでしょうか・・・」
「ダメ?この後どう?」
「仕事なので」
「君、この子はやめた方がいいよ?この先もこの世界でやっていきたいならね」
「志津雄さん!」
「七桜さん、大きくなったね?」
「??初めましてじゃないですか?千は前からお世話になってましたけど」
「君が小さい時会ってるんだ。おじちゃん、おじちゃんって懐いてくれてたんだがね。妻にも懐いてくれてたんだよ」
「そうだったんですね」