第38章 期待の新人
「覚えてなくて、すみません」
「しょうがないよ。まだ2歳とかそれくらいだったと思うから。お父さんとお母さんは元気?悠斗くんも」
「みんな元気です。特にお父さんは・・・でも、私もこの仕事を始めたのですごく助かってます。ちょっと過保護ですけど」
「はは、親は子供に甘いものだよ。君、七桜ちゃんに何かしたらいけないよ。僕がちゃんと見てるからね」
「は、はい!すいません」そう言って、逃げていった。
志津雄さんと目を合わせて笑った。
「助かりました」
「ありがとうございます。千葉さんにお願いするのは大変恐縮なのですが・・・」
おかりんが前にあった事件のことを話す。
「自分は常にいますが、現場は人も多いので目が行き届かないかもしれません」
「僕も、目を光らせておくよ。大切な知り合いのお嬢さんだしね」
「ありがとうございます」
「じゃあ、七桜ちゃんまた、撮影でね」
そう言って志津雄さんは帰っていった。
それから、制服の衣装合わせをして、事務所に向かった。
千と合流して、チャリティーライブの曲を考える。
顔合わせであったことを話ながら。
千は、あの人どんだけ顔広いの?僕もさすがに怖いんだけど...いや、うちが1番怖いよ...
そうして、チャリティーライブの日がやってきた。
TRIGGERも楽しそうにしてステージで歌って踊ってる。
さすが、期待の新人TRIGGERだ。
でも、Re:valeだって負けない!
ずっとトップに居続けるんだから。
TRIGGERには譲らない。
そして、うちらRe:valeの出番。
自分達が楽しく歌ったり、演奏するのが1番周りも楽しませるスパイスになる。
楽しくないと、誰かを楽しませる事なんてできないだろう。
打ち上げも盛り上がった。
久々に天とゆっくり話して、楽や龍ちゃんとも話ができた。
「なんで、俺は楽で、龍が、龍ちゃんなんですか?」
「だって、龍ちゃんは同じ年だし、楽は年下だから呼び捨てでいいかなって。楽ちゃんがいいの?」
「いや、楽でいいっす・・・」
「そうか、七桜と龍之介くん同じ年なんだね」
「そうみたいです。俺も呼び捨てでいいんですけどね。ちゃんなんて慣れなくて」
「まぁ、好きに呼ばせてあげて。でも、絶対好きになったらダメだかんね!」
「モモってば・・・」