第36章 1人暮らし
七桜がどうしたのって顔で俺を見てる。
我慢できなくて、ゆっくり七桜を抱きしめた。
「百?」
「少しだけ、こうさせて・・・」
俺の返答に戸惑ってるみたいだけど、小さくうんと言ってくれた。
心臓の早い音が聞こえる...俺のなのか七桜のなのかはわからないけど、こうしてると落ち着く...
「大丈夫?」
「ごめん、ちょっとくっつきたいなって思っただけ」
体を離して、七桜の顔を見つめる。
吸い込まれるように自然と顔を近づける。
「七桜・・・」
小さい声で名前を呼んでから、キスをした。
家の中だから誰かに見られる心配はない。
息が苦しくなったのか七桜が口を開けた瞬間、俺は舌を入れた。
七桜はビックリしてビクッとしたけど、俺に応えるように舌を絡めてくれた。
「・・・んっっ」
「七桜・・・好き」
漏れて聞こえた声が可愛くて、もっと、もっとって求めちゃう。
もっと、もっと七桜が欲しい。
ソファに押し倒して、もっと激しいキスをする。
片手はしっかり手を繋いで、もう片手は体を撫でてみる。
脱がして直接触りたい...このまましちゃダメかな...
少しだけ強くギュッと抱きしめる。
「も も・・・」
キスで熱を帯びた顔で俺の名前を呼ぶのが本当に可愛いし、理性が飛んでいきそう。
「ごめん、これ以上はまだしないから。俺、ちゃんと待つよ。だから、もう少しだけキスしたい・・・」
俺がしないって言ったのに安心したのか、待つって言ったのに安心したのかはわかんないけど、ホッとしたような少し残念そうな顔をしていた。
返事を聞かずにキスをする。
時々、聞こえる艶っぽい声が俺を求めてるように聞こえて興奮する。
キスってこんな気持ちいいの?あと、お菓子みたいに甘い。
七桜は俺の胸辺りの服をキュッと掴んで応えてくれる。
「首に手回して?」
遠慮がちに少しずつ回ってくる手。
さっきよりも距離が近くなって、胸が体に当ってる。
七桜も気持ちいいって思ってくれてるかな...
「気持ちいね・・・」
そう囁いてからまたキスをする。
何でか泣けてくる。
そっと目を開けると、七桜も泣いていた。
気持ちが通じ合ってると感じてキスを繰り返す。
それが凄く気持ちよかった。