第36章 1人暮らし
「それに、付き合ってからまともにデートもしたことなかったでしょ。まぁ、忙しかったのもあるけどさ・・・だから、引っ越しも落ち着いたら、ちゃんとデートしよ!俺、バレないように考えるから!」
「そうだね。変装はちゃんとしないとおかりんに怒られちゃう。でも、こうやって家で一緒にゆっくりするだけでもうちは嬉しいよ」
「俺も。今度さゲームしない?これ買ったんだ!」
「あぁ!ゲーミングPC買ったの?最新版じゃん!いいなぁ・・・」
「これで一緒にオンラインできるね!早く設定しないと!」
ご飯を食べ終わり、せっかくだからベースを教えてもらうことにした。
Re:valeの曲は全部弾けるようになるのは今の目標。
七桜は教え方もうまいから、初心者でもわかりやすいし、何より楽しい。
教えてくれてるのが七桜ってのもあるけど。
「七桜さ、爪の手入れとかしてるの?」
ギターをするようになってから爪の痛みが目立つ。
七桜の爪は綺麗だから気になってたんだよね。
「一応してるよ。ギターやってると2枚爪になりやすかったりするから、マッサージとか保湿とか。あとは、弾くときにマニキュアとかジェルネイル塗って保護してるよ」
「今のは?」
「これはジェルネイルだよ。時間かかるけど、マニキュアより硬いから保護性は高いかな。でも着けすぎてると爪弱ってくるからそこがなんともね。取るのも専用のじゃないと取れないからマニキュアよりは面倒かも」
「へぇ。可愛いけど大変なんだね。今度俺にも塗ってよ!」
「百も塗りたいの?いいよ」
「やった!」
それからもう少し練習をして、今日はこれくらいにしようって事になり、リビングに移動する。
俺は飲み物を持って、ソファに座る七桜に渡す。
七桜の隣に座り、とりあえず乾いた喉を潤す。
何か、緊張するな...
今まで自分の家じゃなかったから、こんな場面なかったし尚更緊張する。
抱きしめたし、キスもした。
付き合ってるんだから別にやましいことじゃないよね。
でも、今日は絶対しない。ちゃんと落ち着いてから。
それに、七桜だって初めて...のはずだし。
嫌がる事はしたくないし、傷つけないって約束もした。
でも、俺は我慢できるんだろうか...いや、我慢しないとダメでしょ!
しっかりしろ!俺っ!