第35章 初全国ツアー
「百もなんか飲む?ももりんは売ってないけど」
「俺はももりん持ってるから大丈夫だよ。ありがと」
「ちょっと行ってくるね」
はぁ、本当いちいち可愛い。
なんであんなに可愛いんだろうな...後ろ姿を見ながらそう思った。
そう言えば今日ユキは何の仕事かな?
ドラマか雑誌の撮影?休みではないはず。
なんか外が騒がしいなと思ってると、おかりんが慌てて入ってきた。
「決まりました!決まりましたよ!」
「そんなに慌ててどうしたの?」
「あれ?百くんだけですか?七桜さんがいたはずですけど・・・?」
「七桜、今水買いに行ってるよ?ちょっと休憩するって。いつからやってるの?」
「事務所に来たのは午前中で、僕たちとお昼食べましたから・・・4時間くらいはやってるでしょうか」
「4時間!?そんなに!?」
「ここで練習してるときは時間があればずっとやってますよ?」
「マジ!?あの演奏には影の努力ありか・・・そうだよね。俺も頑張ろ!」
そんなに練習してるなんて思ってもなかったな。
あれだけ出来れば練習なんていらないと勝手に思ってた。
七桜はいつも1人で頑張ってたんだな...
「あ、おかりんお疲れさまー」
「七桜さん!決まりましたよ!!」
「ん?何が決まったの?」
「東京ガールコレクションですよっ!!」
「え?それってあの、有名な東京ガールコレクション?」
「そうです!あの東京ガールコレクションです!」
「凄いね!誰が出るの?」
「七桜さんですよっ!」
「うち?」
「凄いじゃん!人気の女優さんとかも出るんだよね?」
「そうです!店長さんのお店のブランドが今回から出る事に決まったそうなんです。あと新展開したブランドも一緒に。それを着て歩いてほしいそうです!」
「歩くって言われても・・・そんなのしたことないよ?モデル歩きでしょ?」
「練習しよ?俺も一緒に付き合うから!てか、ユキは?」
「そう言えば今日、千何してるの?仕事まだ終わらないのかな?」
「もう終わってるはずですけど・・・もしかして、何かあったんでしょうか!」
「僕がどうかした?」
「ユキ!遅かったね?」
「いや、ちょっと撮影押しちゃってね・・・」
「凄いんだよ!七桜が東京ガールコレクションに出るんだって!」