第35章 初全国ツアー
遥人さんには七桜に内緒でとお願いしたおいた。
できれば引っ越す前にモモと一緒に完成させて渡したい。
僕の大事な思い出...これからも増える思い出。
万の事は探しているけど、寂しいとは感じない。
モモと七桜がちゃんと僕の事思ってくれてるから。
ツアーも終盤になり、この短期間で全国を駆け巡った。
各地色んなところで七桜と同じデザインのTシャツを着た子たちをたくさん見たし、ライブを見て泣く子もいた。
どこのライブも楽しかったし、ツアーするのも初めてだったから新鮮でもあった。
インディーズでやってたライブとは見せ方も作り方も違うと勉強にもなった。
それに、もっと曲を作りたいとも思った。
忙しい中、モモも一緒にアルバム作りを手伝ってくれた。
可愛いシールとか貼ったり、文字も書いたりして。
引っ越しまでには間に合うといいんだけど...
また、モモにお礼しないとな。
「モモ、ありがとう」
「どうしたの?」
「もうすぐ別々に暮らすんだなと思って。忙しいのにアルバム作るのも手伝ってくれてるし。だから、ありがとう」
「別々ってなんか実感わかないけど、そうだよね。でも、まだ一緒にいられるし、こうやって一緒に何かするのも楽しいし、嬉しいよ」
「そうだね。僕も楽しいし嬉しいよ」
「ふふ」
モモが笑うとやっぱり心が優しい気持ちになれる。
モモだから七桜もきっと好きになったんだなって思えるから、応援しようとも思えた。
「僕らに出会ってくれてありがとう」
「ユキ・・・俺の方こそ、出会ってくれてありがとうだよ!Re:valeに出会えて本当ハッピーしかないよ」
そう言って笑い合い、アルバム作りに励む。
ある日、俺はベースの練習をしに事務所に行く。
おかりんが事務所にいるから、七桜は仕事じゃないってことだ。
レッスン室に行くと譜面に書き込みながらドラムを叩いてる七桜がいた。
本当、可愛いのに格好いい。
「七桜」
「うわぁっ!!ビックリしたぁー!!」
「ごめんごめん!集中してたよね?」
「大丈夫。ちょっと休憩しようと思ってたから。百は練習?」
「うん!」
「いいよ、付き合うよ」
「七桜は休憩しなよ。俺この前の復習してるからさ」
「じゃあ、ちょっと水買ってくるから待ってて」