第5章 悩む日々
ライブは私が中学生ってこともあって今まで通り翔くんのライブハウスですることになった。
新境地でするのも悪いことじゃないし、翔くんにライブしてって前誘われてたらしい。
連絡先も交換して、その日は帰った。
家に着くと、お父さんに呼ばれた。
「何か気になることでもあるのか?そんなに悩んで...入りたいって思ったんじゃないのか?」
(思ったよ。思ったけど、はいやります!なんて言えないもん)
「万里くんも千斗くんも七桜を必要としてくれてるだろ。千斗くんは将来のことまで気にしてくれてたぞ?この前自分の娘、いつまでおじさん達と一緒に組ませてんだって言われたしな」
そんなこと言ってたんだ...
「千斗くんは少し態度あれだけど、2人とも真剣に音楽してると思ったよ。年の差とか、男の中に入るのが抵抗あるとかか?」
「うぅん。別にそれは気にしてないよ。年の差も女が1人なのも今も同じだし・・・」
お父さんにはもちろん、家族にもこの記憶の事は話してない。
話せるわけないし...
2人が真剣に音楽してるのもわかってる。
「何に悩んでるかわかんないけど、やりたいと思うならやった方がいいぞ。もし合わなければ辞めればいいし。やらないで後悔するより、やってから後悔した方が良くないか?」
「・・・そうだね。もう少し考えてみるよ・・・」
お風呂に入って布団に入り考える。
(うちがRe:valeに入ってほしい理由も話してくれた。あの千が・・・必要とされてるのは普通に嬉しいよなぁ・・・)
記憶がなければ迷わず入ってただろうな...
Re:valeに入らなかったとして...みんなは趣味の延長でバンドやってるし、他にちゃんと仕事もしてるから今更デビューを考えてるとかじゃないでしょ。
うちはこのまま路上と助っ人続けていくのかな...
それに未来はあるんだろうか...
(そもそも、うちは将来なにやりたいんだろう・・・)
Re:valeに入ったとして...Re:valeは先を考えて活動してる。
その先に未来はあるよね。
(男女のグループでスカウトくるかなぁ・・・)
今からそれ考えても仕方ないか。
万の怪我と失踪...できることなら防ぎたいとこだよね。
それに、Re:valeの曲は好きだ。
演奏したい歌いたいって思わせてくれる曲ばかりだ。
百にも会えるしなぁ。