第5章 悩む日々
あれから1ヶ月。
仮でRe:valeの活動を続けていた。
最初は戸惑うこともあったけど、次第に慣れて活動できるようになってきた。
「七桜ちゃん、だいぶRe:valeの曲に馴染んできたね」
「弾いてて楽しいですから」
万と千と話すことも前よりは楽に話せるようになった。
他の助っ人メンバーはいい人もいれば、良く思ってない人も。
こんなガキんちょにって顔に出てるんだよな...
「1ヶ月。仮で入ってやってるけど、どう?まだ悩んでるの?」
確かにまだ決めかねてるけど...
「僕はそろそろ君にも曲の制作とかもやってみてほしいと思ってるんだよね。だから、仮じゃなくて正式なメンバーになってほしいんだけど」
「曲の制作・・・」
「アレンジの勉強してるんだよね?だから路上でもやってるって遥人さんから聞いたよ。七桜ちゃんが思う音楽も俺たちに教えてほしい。一緒に曲作ってみたいんだ」
お父さんが言ってたっけ。
やらないで後悔するより、やってみて後悔した方がいいって。
きっと、やらなかったら後からやっておけばって後悔する。
やっても後悔するかもしれないけど、やらないよりは。
(うちにしか出来ないことがあるんだから、うちがやらないといけないよね)
「あ、あの・・・今までは仮でしたけど、一緒にやりたいです。Re:vale、入りたいです!」
2人は見顔を合せて少し驚いた顔を見せた。
「自分の中で考えまとまったの?」
「はい。後悔したとしても、やらないよりやってみようと思ったので」
「うん。スッキリしたいい顔してる。迷いも消えたみたいだね。ありがとう、たくさん悩んで決めてくれて」
「1ヶ月も悩むなんて。まぁ、入ってくれるならいいけど」
「千は素直じゃないなぁ。嬉しくて仕方ないクセに」
「うるさいな・・・」
「じゃあ仮は今日で終わりにして、これからはRe:valeの正式メンバーってことで」
「未熟者ですが、これからよろしくお願いします!」
そう言ったら、2人は顔を見合わせて笑う。
「こちらこそ」
「こちらこそ、よろしくね」
2人と握手を交わす。
こうして私は12歳にしてRe:valeの正式メンバーとして加入することが決まり活動していくことになった。
万のことも含めて、自分ができることをやっていこうと強く思った。