第5章 悩む日々
「あの、今日一緒にやってた人達はメンバーじゃないんですか?」
知ってはいるけど、一応確認しておかないとね。
「あぁ、あの人達は助っ人としてお願いして入ってもらってるんだ」
万が少し気まずい感じに話す。
万が言うには千とだんだんと合わなくなったり、実力的に千が満足しなかったりでメンバーが長続きしないんだとか。
(そうだと思ってた・・・こんな早い時期からなんだ)
「七桜ちゃんなら千が見つけたんだから実力は問題ないし上手くやっていけると思うんだけどね」
「僕らの音楽聴いてどうだった?」
それは...
「完成された曲だと思いました。音も綺麗でしたし・・・」
「僕らの音楽好き?」
「それは、はい・・・」
「ごめんねぇ。何かまだ迷ってるみたいなんだよな」
そりゃ迷うだろ...Re:vale入れって言われてんだぞ。
「僕たちなら君の音楽もっと生かせられると思うけど?一緒にやりたいと思わない?」
「いえ、そういうわけでは・・・」
万がそんな言い方するなと止めに入ってくれた。
「今でも十分通用すると思うんですけど・・・うちが入っても今と変わらないと思いますよ」
そうだ。
私が入った所でだよ。
「それはないな。君の演奏が入る事で演奏レベルはグッと上がる。今よりも高いレベルの音楽が作れる。それに君も今までよりレベルアップした音楽を演奏できるよ。君を生かす音楽を僕は作れる。これじゃダメ?」
そんなこと言われたら...めちゃくちゃ揺らぐじゃないか...
「七桜ちゃんの中に少しでもやってみたいって気持ちがあるなら、お試しで仮加入って形で入ってみるのはどうかな?今までの助っ人みたいな感じで。この前いきなり言われたしこんな短期間で決めろって言うのも難しいよね。思う存分悩んでいいよ。自分の納得のいく答え出していいから」
万の言ってくれた提案にのることにした。
千は少し不服そうだったけど、最終的には納得してくれた。
本当は早く返事したいけど、考えてるだけじゃ答えは出ないと思う。
変えたいけど変えるのが怖いの2択だし...
待たせるのは悪いと思うけど、良い返事ができない。
だから、一緒にやってみてから決めてみよう。
無理だったら断ってもいいんだし...
「仮ですけど、これからよろしくお願いします」
「こちらこそ宜しくね」