第33章 誕生日とゴシップ
遥人さんが入院させてたのは、精神的にもキツかっただろうってのもあるし、心のケアが必要だと。
そのままにして、トラウマになることもあるからと。
入院中は俺もユキも、それぞれでたまに顔を出して少し話して帰る日々を過ごしていた。
アルバムの曲は完成してて、後は七桜の歌入れと楽器演奏だけ残ってる。
ユキは次の曲に取りかかってるし。
七桜が退院して、事務所にやってきた。
「「七桜、退院おめでとう!」」
「ありがとう。何か、色々ごめんね。しかも、うちだけゆっくり休んじゃったし・・・」
「いいの!休まなきゃいけなかったんだから!」
「そうだよ。その分、しっかり曲アレンジしてね」
「うん!」
七桜が退院して、日常が戻って来た。
七桜の歌入れと、演奏のレコーディングも無事終わり3人でのジャケット撮影も撮り終えた。
こうして、Re:vale初のアルバムが完成した。
発売まではまだ少しあるけど、楽しみだな!
仕事に行く前、時間があったから千の誕生日プレゼントを買いに行くことにした。
入院してたから、千の誕生日過ぎちゃったしな...
何にしようかなと色々見て回ると、皮のノートカバーが目に入った。
千は普段からノート持ち歩いてるから、カバーにピンときた。
このカバー格好いいし、千に合うと思ってノートカバーを包んでもらった。
「千、遅くなったけど誕生日おめでとう!」
「ありがとう。わざわざ用意してくれたの?」
千はさっそくノートに付けて見せてくるくらい喜んでくれた。
「元気になってくれて本当によかった。それがプレゼントでもよかったんだけど・・・これ凄い気に入ったよ。格好いいしありがとう」
千は笑って言ってくれた。
本当、千は変ったなぁ...前はこんな風に言える人じゃなかったし、人を気遣える人でもなかった。
百と出会って、関わるようになってから変ったんだよね。
そう思うと百の存在は凄く大きいって思うし、千にとっても百の存在は大きいと思う。
千がまともな人になったのは百のお陰だしね。
本当に、感謝しかない。
でも、私と会ってなくても百とは会うことは決まってたから、大人の千は今の千と同じ感じってことになるのかな?
そう考えると、百の存在どんだけ偉大なの?
百いなかったら、千はずっとあのままだったのかな?