第33章 誕生日とゴシップ
おかりんの調べで、あのヘアメイクの人はフリーで仕事してる人だと判明した。
そこまで仕事歴は長くないから、スタッフの中に共犯がいるのか?
俺とユキが思いつくことをおかりんに伝えて、それを遥人さんに伝えてもらう。
凛太郎も動いていて、怪しくなさそうな雑誌の編集者の偉い人に話をつけていた。
スタッフの中に怪しい人はいないか、そのヘアメイクの人と深い親交のある人がいるかどうかなど。
一応、編集者って可能性もあるからその辺は慎重に事を進めている。
遥人さんからは、七桜がずっと荷物の何かがなくなってる違和感を感じていて、無くなった物が何かわからないこと、最近視線を感じて着け回されていたこと誰かに盗撮されていたことがわかった。
そんな時、ユキがドラマ撮影の現場でそのヘアメイクの人が担当していたと聞いた。
最近、七桜と全然連絡も取れないし、会えてないから心配でどうしてるか聞いてきたらしい。
ユキは、曲作りでスタジオにこもってるから気付いてないんだと思うと言っておいたみたい。
何かあったのかと思って心配してると笑顔で言ってておかしいと思ったと言っていた。
その日、ユキの荷物からはのど飴が無くなってたという。
完璧、あの人は黒でしょ。
雑誌の撮影に、ドラマの撮影に入れるヘアメイク...
後日、おかりんがそれぞれのスポンサーを確認すると、そのヘアメイクの人がいる撮影のスポンサーが一緒だったことがわかった。
わかってからの遥人さんの行動はハンパなく早かった。
そんなに大きな会社じゃないみたいで、見事に犯人を特定することができた。
スポンサーの人が七桜を好きで、ヘアメイクの人が俺たちを好きで2人で共謀して行動に移したらしい。
ヘアメイクの人は全く反省していないらしく、警察に言っても特に対処してくれるとかはないからと、遥人さんは弁護士を呼んで話をつけた。
お金はいらないかわりに、2度と姿を見せないこと、この業界で関わることも許さない。
もし破ったら今度こそ警察に突き出すし、この業界では生きられないようにすると約束させた。
正直、遥人さんが1番怖いよ...
こうして事件は無事解決したけど、気付いたらユキの誕生日は過ぎ、1年も終わろうとしていた。
七桜は事件が解決するまでは入院させると遥人さんが始めから決めていた。