第33章 誕生日とゴシップ
「どこの会社くらいの人くらいなら。名前はわかってますし」
「それ、わかったら俺にも教えてくれ。記事の件も、もしかしたら関わってるかもしれない。その人の名前は?俺も調べるよ」
「ユキも、もしその人当ったときは荷物注意して見てみて」
「わかった。それで、七桜の様子はどう?」
「俺がいたときに起きたけど、また寝ちゃった・・・」
「そう。顔見に行きたいけど、ゆっくりさせた方がいいね。それに元気になって僕らの仕事が遅れてたら怒られそうだ」
「千斗はよくわかってるな。しっかり仕事しとけ。その方が七桜も安心するだろ」
「そうね。ちゃんと完成させるよ」
ユキの言うとおり、ちゃんと仕事しなきゃ...
でも、七桜の近くにいたい...
「ユキ、俺、1回七桜のとこ行ってきてもいい?顔見たらすぐ戻って来るから!」
「いいよ。行ってきな」
ユキは微笑んでそう言ってくれた。
遥人さんの車に乗せてもらって七桜の所に急ぐ。
病室に着くと、女の子がいた。
一緒に暮らしてる従姉妹らしい。
叔父さんが急用が入ったから代わりに来たという。
遥人さんが来たから、その子は帰って行った。
七桜はまだ眠ったままだ。
早く起きて、また笑った顔見せてよ...
遥人さんに、病院にはあまり来るなと言われた。
入院を伏せてるから、通ってたら変な噂が立つかもしれないからと。
全く来るなとは言わないけど、来るなら慎重に。
あと、この件には首を突っ込まないこと。
まだ俺にはどうこうできる力も人望もない。
それは遥人さんに自分で話したからわかってる。
なんとかしてあげたいけど、なにもできないのが辛い...
「わかってます。俺らが変に巻き込まれたら七桜が傷付くから、遥人さんやおかりんに頼みます。俺に出来ることを今しっかりやります」
「そうだな。七桜も喜ぶと思うよ。よし!ほら、もう帰りな?千斗も待ってるだろうし。ちゃんとすんだろ?」
「はい!また来ます!」
そう言って、俺は事務所に戻ってからユキと作業をした。
次の日、七桜が目を覚ました。
気分もだいぶ落ち着いてきたみたいと遥人さんから聞いて安心した。
詳しい話は遥人さんが聞いてくれるっていうし、大丈夫だろうな。
その日も俺とユキはスタジオにこもる。