第33章 誕生日とゴシップ
「ここは病院だよ。目が覚めてよかった・・・」
「病院?・・・なんで?」
「倒れたんだよ。先生呼んでくるから、百瀬少し頼むな」
そう言って遥人さんは先生を呼びに急いだ。
「うち、倒れたの?」
「覚えてない?」
百と話してるのはわかるけど、視点も定まらないしボーッとするし、フラフラする。
「まだ、調子悪そうだね。今先生来るけど休んでな」
聞きたいことはあるけど、今はそんな状態じゃない。
先生が来て、少し診察をする。
目が覚めたから大丈夫だけど、過度なストレスからきてるから、しばらくは休養が必要だということだった。
落ち着いたらストレスの原因を探るみたいだけど、トラウマやうつ病とかなる可能性もあるから、とにかく外の情報は入れないこと、仕事も今は控えた方がいいと言われた。
入院が必要だと、俺がいる間に荷物を取ってくると遥人さんは叔父さんの家に行った。
七桜は横になったまま眠ってしまい、俺は手を握って早く元気になれーと念を送る。
少しするとおかりんがやってきた。
途中で先生に事情を聞いたらしく、しばらく仕事もキャンセルし休みにしたという。
キャンセルした理由は楽曲制作の遅れが原因ってことにして、入院してることは一切公表はしないことになった。
「今、遥人さん七桜の着替え取りに行ってるんだ」
「まだ時間あるので、大丈夫ですよ」
遥人さんが戻ってくるまでは、時間ギリギリになっても一緒にいてあげたい。
今は眠ってるけど、絶対不安で心細いはずだ。
こんな時こそ、一緒にいて支えてあげたい。
ユキには目は覚ましたけど、また眠ってしまったと連絡を入れておいた。
遥人さんが戻ってきて、入院の件を伏せる形をとるとおかりんが話をした。
遥人さんは納得してくれて、俺は渋々仕事に行くことに...
今日の仕事は雑誌の撮影。
少し遅れたから急いでヘアメイクをしてもらう。
そのヘアメイクさんが七桜と仲が良いと言ってきた。
何度もヘアメイク担当してるうちに仲良くなったって。
この前も一緒にご飯行ったとか、なんとかってモデルの集まりにも連れてってもらったとか。
「モモくんは男遊び激しい人ってどう思いますか?」
そう聞かれて、不審に思った。
この人七桜と仲良いなんて嘘だろ。
記事のこと言ってたとしても、おかしすぎる。