第33章 誕生日とゴシップ
「七桜までいなくなったらどうしよう...」
「ユキ・・・大丈夫だよ。七桜はずっと一緒にいてくれるって言ったでしょ?」
ユキはバンさんの事を思い出して動揺してる。
俺も落ち着いてられないけど、ユキを落ち着かせながらハラハラしてた。
「お前ら、しっかりしろ!」
遥人さんに渇を入れられた。
そうだ、こんな時だからこそしっかりしないと!
おかりんに、七桜から聞かれたことを伝える。
やっぱり、今日の記事で倒れるのは考えにくいという結果になった。
検査が終わり、七桜は病室に移され、遥人さんは先生のところへ説明を受けに行った。
俺たちは結果を病室で待つことにした。
結果は、おそらく神経調節性失神という主にストレスが原因で倒れた可能性が高いということだった。
色々検査したけど、病気で倒れたとかではないみたい。
遥人さんにも七桜が言ってた事を伝えて、七桜が一緒に住んでる親戚の人に話を聞くため連絡をしていた。
意識は少しすれば戻るから大丈夫ということだった。
凛太郎は記事が事実無根だという対応のため事務所に残ったから、おかりんが連絡をしている。
遥人さんの知り合いも、会社の人も協力してくれるそうだ。
記事のことはこれで安心でいいのかな...遥人さんの事だからきっと大丈夫だろうな。
問題は、もう1つの何かだ...
「少し前から寝れてなかったらしいけど、最近は特に遅くまで起きてたみたいだ。疲れてるだけだったり、曲作りで忙しいと思ってたけど、どうやら違うっぽいな」
「そう言えば、結構前なんですけど、雑誌の撮影の時に七桜さんから楽屋の鍵が閉ってるか何度も確認されたことがありました」
「楽屋の鍵?」
「はい。その時、不思議に思ったので覚えてます。専属の雑誌ではない別の雑誌撮影の時でしたね。その後も気にしてる様子はあったかもしれません。僕がいないときは七桜さんが自分で管理してますし、一緒にいるときは僕が閉めて持ってますから、開けるまでは閉ったままのはずですけど・・・」
「楽屋に誰かが入ってると思ってるんじゃない?きっと、そう思う何かがあったんだよ!」
「そう思えば、僕らに聞いてきたことにも納得がいくね」
「確かに・・・何もないのに突然そう聞いてくるのは少しおかしいな・・・」