第33章 誕生日とゴシップ
そして、その人がお父さんの知り合いできちんと対処してくれたことも。
「そっか、それなら安心かな。それより、七桜は大丈夫?」
話してると、お父さんがもの凄い勢いで事務所に入って来て、凛太郎のところに向かっていった...
「遥人さん凄い勢いで通り過ぎてったね・・・」
「うちの記事のことで来たんでしょ・・・」
「あんな記事、信じる方がどうかしてると思うけど」
「知ってる人はそう思うかもしれないけど・・・記事を信じる人もいるんだよ。百と千はさ、最近身の回りで変なこと起きたりしてない?」
そう聞くと、百も千も思い当たることはないと言った。
(でも、何でうちだけ・・・?)
最近、ストーカーや写真の他に何か物が足りないと思う事が何度もあった。
何かはわからないから、本当にたいした物ではないんだろうけど...それでも気持ち悪いし、何を取られてるのかは気になる。
貴重品はちゃんとあるから...それ以外の物なんだけど...
やってるのはストーカーと同じ人なんだろうか...
「七桜?顔色悪いけど、大丈夫?」
そう考えてると、だんだん百と千の声が小さくなっていった。
「七桜!?七桜っ!!おかりん!」
「百、落ち着け!凛太郎のとこに遥人さん来てるだろ?」
そうだったと思い、呼びに行こうとしたら俺の声が聞こえたおかりんが急いで来てくれた。
「どうしたんですか!?七桜さん!?大丈夫ですか!?百くん、社長室に遥人さんいるので呼んで来てください!僕は救急車呼びますから!千くんは七桜さんをお願いします!」
俺は急いで遥人さんを呼びに行った。
「遥人さん!七桜が倒れた!」
「は?」
遥人さんも焦ったようで、急いで七桜の元に駆け付ける。
戻ると、おかりんが救急車を呼んだと説明していた。
でも、何で倒れたんだろう...あの記事のせい?
今日出たばかりで倒れるのはちょっと考えにくいな...
七桜が言ってた、身の回りで変なこと起きてないか...
きっと七桜の身に何か変なこと起きてたんだ。
それしか考えられない、じゃなきゃあんなこと聞かないよ。
救急車には遥人さんが付き添い、おかりんの運転で俺たちも病院に向かう。
着くとすぐに色んな検査が始まっていた。