第33章 誕生日とゴシップ
「紡に任せっきりだで、申し訳ないな」
「それも気にしなくてもいいんだよ。忙しいことはいいことでもあるんだから。そう、はいこれ。遅くなっちゃったけど、誕生日プレゼント。こっちは紡の分だよ」
「ありがとう。紡にもお礼伝えておいてくれる?すれ違いになると思うから」
「遥人くんが全然会えないって嘆いてたよ。たまには連絡してあげたらどうかな?悠斗くんも喜ぶと思うよ」
「うん、今度してみるよ」
「遅くにごめんね。早めに休むんだよ?おやすみ」
「おやすみ」
叔父さんがくれたのはギターケース。
これは、めちゃくちゃ嬉しい!
紡は手紙付きで帽子をくれた。バレるといけないから、ちゃんと変装してって書いてある。
変装用か...しなきゃいけないくらい売れないとな...
その後、寝られなくてしばらくアレンジを続けてた。
寝られないのにはちょっと理由がある。
ここ最近、楽屋に嫌がらせやストーカーらしき人がいるからだ。
盗撮したであろう写真があったり、非通知で電話がかかってきたり...
でも、ストーカー被害に遭うのは千か百だったはず...
Re:valeだから、それも変わってきてるってことなのかな?
色々考えちゃうし、精神的にキツくなってきたのもあって寝られない...
そろそろ様子見るだけじゃなくて、話した方がいいのかも...
次の日、事務所に行くとみんなが慌ただしくしていた。
「おはよう。どうしたの?」
「七桜さん、おはようございます。すみません、これから遥人さんが来ます。記事のことは事実ではないとわかってますから」
「記事って?」
何のこと?と思ってると、百が慌てて走って来た。
「おかりん!大変だよ!七桜が週刊誌に・・・」
「百、うちが週刊誌って何?」
「これだよ」
「ユキ!」
少し遅れてきた千が見せてくれた。
週刊誌には、【Re:vale 七桜の深夜活動】って見だしで毎日夜遊び歩いて未成年なのに飲酒してるとか、モデル関係者のパーティーや集まりに顔を出してて男遊びが酷いとか、全然身に覚えのないことが書かれていた。
「百、千の引き抜きの件なんだけど片付いたから大丈夫だよ」
自分のことも大変だけど、百が気にしてるであろうことを先に伝えた。
百は何で知ってるのとビックリしていたけど、知り合いから聞いたと話した。