第33章 誕生日とゴシップ
今日は事務所でアレンジの作業をしてると、千と百がやって来た。
私の誕生日は過ぎちゃったけど、プレゼントを持って来てくれた。
「遅れちゃったけど、誕生日おめでとう!」
「誕生日おめでとう」
千からは高そうな名前入りのボールペンと持ち歩きに便利な小さめのペンケース、百からは入浴剤セットとハンドクリーム、おかりんからはお菓子と紅茶のセットをもらった。
「ケーキも買ってきたから、休憩して食べよう」
千がそう言うと、おかりんが丁度良く持って来てくれた。
「ありがとう」
「来年になれば一緒にお酒飲めるね!」
「そうか、七桜は今年19になったのか・・・」
「そう思うと、しっかりしてますよね。本当に」
「早く一緒に飲めたら良いね」
みんなも忙しいのに...誕生会しなくても、こうして来てくれてお祝いしてくれるのは嬉しい。
私も千のプレゼント用意しておかないとな。
その日のアルバム制作は思ったよりも進んで、その分練習する時間が増えたからドラムを叩くことにした。
気分的にスカッとしたいから激しめのロックっぽいのがいいかな。
百は千にギター教わってて、突然鳴り始めたドラムの音にビックリしていた。
ゼロの【Dis one】をどんな感じだったか思い出しながら、アレンジして叩いてみた。
「今のってゼロの曲だよね?アレンジしたでしょ?」
千がすごい勢いで近づきながら話してきた。
「いや、思い出しながらなんとなく・・・アレンジは今適当にしたけど・・・」
「凄い!格好よかったよ!」
百も興奮気味に言ってくる。
「普段からこうなら、もっと楽なのに・・・」
「元の曲知ってるのと、1から作ったのをアレンジするのは違うんだよ。千もわかるでしょ?」
「確かにそうだけど・・・でも、今のは良かったよ」
その日の内に、アルバムの曲は全部作り終えることができた。
アレンジと歌詞ができれば、レコーディングに入れる。
「お疲れさまでした」
おかりんに送ってもらって、色々済ませ寝る準備をしてからアレンジをすることにした。
「七桜ちゃん、最近忙しそうだね。ちゃんと寝れてる?少し疲れてるんじゃないかい?」
確かに、ここずっと寝れてない...
「移動中とか寝てるし大丈夫だよ。最近、ご飯作れなくてごめんね」
「忙しいんだし、全然気にしなくていいんだよ」